皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
数ある電験の参考書の中でも年度もののシリーズは、年をまたぐ前には内容をリバイズして発売されています。
この記事を書く中で色々とAmazonを彷徨っていたら、とても興味深い情報を仕入れました。
なんとTACが過去問題集をついに出すようなんです。
以前参考書をレビューしたときに、過去問まだですかねぇと言っていたのが実現しました!
で、漸く発売されましたのでレビューをしてみたいと思います!
気になる中身は?
今回過去問題集が出版されたことで、TACで参考書+過去問題集とすべてを賄うことができるようになりました。
また、以降で細かく取り上げるように、参考書との関連性が強くある構成となっているので、TACの参考書で基礎固めをしたあとに過去問で完成させるのには最適な過去問題集となっています。
ちなみに収録年数は、平成21年度から直近の平成30年度までの10年間です。多すぎず少なすぎずという印象です。
ここが使いやすい!
解説が丁寧
なんと言ってもこれに尽きます。理由は後述していきますが、解説を丁寧にするところが冊子の分厚さに跳ね返ってきて、異様な外観になっています笑 間違いなく本屋で目を引きます。
解説が丁寧に作られた結果、脳に余計な負荷をかけること無く、問題を消化することに専念できるかと思います。
STEP毎に区切った解説をしている
計算問題で顕著なことなのですが、多段階の展開を経た解答プロセスになる時が多々あります。しかし、それを頭からずらーっと解説されてしまうと、特に初心者の方はどこに力点を置いて解説を消化していけば良いのかわからなくなります。
そういったことを防止するために、TACの解説では全体の流れをSTEP1,2,3…と分けて書かれています。そのため、解法の流れを意識しやすく、かつ覚えやすいです。
問題で与えられた図以外に新規の図が解説に登場してくる
問題を掘り下げていく解説の過程で、新規の図(回路図・イメージ図)がたくさん登場してきます。これがあることで、解説を読んでいる方全員が同じイメージを共有することができます。
また、これらの新規の図はどうしてその様な回路図になるのかというのを実際に起っている現象から書いているため、参考書で学習してきたベースの部分からきちんと立脚した図の展開となっています。
式変形を細かく書いている
式変形を省略されるとにわかに理解できないこともあります。特に理論科目は数学の面が強く、そうなる場合が多いです。
そういうことを極力防ぐように、式変形を細かに書いている印象でした。細かに書いていると理解しやすいのはもちろんのこと、最終的に紙に書かずにサイクルを回す段階になったときに、解説の式変形のプロセスと自分のイメージする式変形の答え合わせをしやすくなります。
「ポイント」や「ひとこと」が地味にありがたい
参考書のときにも似たような吹き出しがありましたが、過去問題集の方でも「ポイント」や「ひとこと」を使って周辺知識や公式の再掲をしてくれています。
これにより解説を読む一辺倒にはならず、テンポよく消化できると思います。
解説が2色刷り
黒1色・太字使用のみだとどこが重要なのかなかなか頭に入ってこないですが、TACの方は黒・赤(+太字、アンダーライン、背景色)で書いてありますので、無意識に強弱を付けて学習できます。その結果、頭に残りやすくなると思います。
冊子の構成が受験初心者フレンドリー
問題毎に重要度、難易度がわかるため、良問と悪問の仕分けができて力の入れどころがわかります。
また、理解度を深めるために、すぐに似たような問題を解きたい場合は、問題毎に類題が紹介されていますのですぐその問題に飛ぶことができます。同様に、参考書へのリンクも書いてありますので、理解がおぼつかない場合は参考書に戻りやすいです。
本物そっくりのマークシートがある
これは受験初心者にとってありがたいのではないでしょうか。電験3種はマークシート形式であるため、コピーして使い慣れれば本番で緊張する要因を1つ消すことができます。
冊子の厚さが5.5cm?!
別にこれは使いやすさと直結しませんが笑、電話帳と言われるような他社の過去問題集は厚さが3.5cmくらいなのに対して、TACのは5.5cmとかなりブ厚いです。電話帳の上を行く百科事典という単語が正にふさわしい感じです笑
実際に横から見てみると↓な感じです。
問題部分ではあまり差別化をできないだろうと勝手に考えていましたが、なんと問題部分の余白部分をかなり切り詰めて掲載しているので、実質的にはもっと分厚くなっていてもおかしくなかったと思います。
科目ごとに切り離せるため、DIYで解体をしなくて済む
TACの本は基本的に切り離し可能な作りとなっています。電験3種の参考書でも同じでした。
過去問題集はどうかというと、こちらも多分に漏れずに切り離せる構成となっています。
切り離せる単位としては、
①過去問4科目・10年
②過去問解説、理論・10年
③過去問解説、電力・10年
④過去問解説、機械・10年
⑤過去問解説、法規・10年
です。
先程の横から見た画像は、よく見てみると↓のように切り離せるタイプになっていることがわかります。
これを切り離してみると…
こんな感じになります。
また、例えば問題冊子と電力を持ち歩いた日は、持ち歩かない方は↓のようになって本棚に収まる感じになります。
DIYの成れの果て…
全部を常に持ち運ぶことは重くて到底無理なので、TACのように過去問題集が切り離しタイプでないと、自分でカッターを使って切り話す必要があります。
センスがある人であれば、きれいに切り出してしかも断面を見た目良く加工するのでしょうが、私は手先が不器用ですので断面がヨレヨレになり、本が崩れるのを防ぐために養生テープで補強する結果となってしまっています。
DIYした冊子とTACの冊子を見比べると、どちらがきれいか一目瞭然です。
解説冊子だけでの活用法
各科目の解説には、冒頭に問題文が縮小版ではありますが再掲されています。
そのため、それだけを切り離して通勤中や空き時間に反復演習をすることができ、時間を有効に使えるようになります。
ここは使いやすいのか?
ネガティブなところもいくつか見受けられましたので、少し書いていきます。
場面によっては使いにくい切り離し単位
- 過去問4科目・10年
- 過去問解説、理論・10年
- 過去問解説、電力・10年
- 過去問解説、機械・10年
- 過去問解説、法規・10年
という切り離し単位になっていますので、例えば電力科目だけ図書館で勉強したいというときは、「過去問4科目」と「過去問解説、電力」を持っていかなければならなく、少し重いです。
「効果的な学習法」の方針は電験2種を考えていない方向け
過去問題集の冒頭で紹介している本冊のススメ方的なところに、「効果的な学習法」というフローチャートを交えた問題の消化の仕方を解説しているページがあります。
この内容は、電験3種を最終目標としている方向けの内容になっていると思います。電験2種以降も継続して学習していく方は無視した方が良いですね。
TACのオンラインストアだと安い
参考書のときも紹介しましたが、TACのオンラインストアだと定価より10%も安く買えます。
更に参考書セットだと15%offです。
Amazonでは何位?
Amazonランキングでは2019年2月11日時点で、1位になっています?!
1/24に発売してから1ヶ月も経っていないのにこの順位というのは驚きです。
ちなみに、参考書の方もTACが上位を独占していました。
Amazonだと一部プレビューができる
Amazonの紹介ページに行って画面左の本の画像をクリックすると、全体をかいつまんでどのような中身になっているか確認できます。
解説ページもいくつかプレビューできますので、一度ご覧になって下さい。