皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
ビルメン万事解決を運営しているbirumanさんから、twitterで記事の要望を受けまして、今回は電験2種の二次試験を突破する方法を書きます。
正確には、私の場合はこれで突破できた、という方法ですね。
ちなみに、私を始め何人かのビルメンブログ運営者はtwitterをやっておりまして、記事に書かないようなコアな話をつぶやいていたりします笑
読者の皆さんも、よければtwitterフォローお願いします!
電験2種一次試験
二次試験から離れてしまうので割愛したいところですが、軽く説明します。
電験2種一次試験は、電験3種と問題形式・合格システムが似ています。
電験2種一次試験は理論・電力・機械・法規の選択問題で構成されていて、3年で4科目合格すれば二次試験に進むことができます。ちなみに、試験時間も出題される分野も同じです。
電験3種と大きく異る点は3点です。
1点目は、語句問題での答えの選択の仕方が異なるということです。2種では語句セットの5択という問題は無いです。
2点目は、分野が電験3種と同じでも、問われる知識レベルが深くなるという点です。CBの種別特性の問題を例に挙げると、遮断特性だけでなく、消弧原理の違いや消弧の際の副生成物を問われたりしてきます。
3点目は、電力と機械に計算問題が出題されないということです。
この3点からわかる試験センターのメッセージは、
- 電験3種とは違い、勘で正解となる可能性をできるだけ排除して、電気設備に関する知識の理解が正しくできているか
- (電力と機械の)計算問題は二次試験で詳しく問いてやるから覚悟しておくように
ということです。
後半は脅しになってしまいましたが、あながち間違っていないと思います。2.5種と言われるエネルギー管理士試験の中で、特に計算問題に慣れていない方は、二次試験が鬼のようにしんどく感じる可能性があります。
電験2種二次試験
二次試験の受験システムも簡単に紹介しておきます。
電験2種二次試験は電力と機械に関する記述問題です。記述する内容は計算問題であったり、「特徴を述べよ」的な論述問題であったりします。罫線だけの紙につらつらと記述していきます。
そうです、中途半端な理解だと、ここで間違いなく不合格になってしまします。ここからが電験2種の本番です。
ここでやっと今回の記事の本題に入ります!
自分のタイプを知る
電験2種二次試験は一見取り掛かりにくそうですが、戦略的に取り掛かればその労力を少なくすることができると思います。
先ず、自身のタイプを確認して下さい。
- 数学の基礎はありますか?
- どんな電気設備を今まで見てきましたか?発電設備ですか?
後者の方は論述問題タイプですね。私の出る幕ではありません。
前者の方は、私と同じタイプですので、この後読み進めていくと良いことがあるかもしれません。
どちらのタイプでもない方は、前者のタイプになることをお勧めします!
というか、論述問題は、同じ試験システムの電験1種を終えた今ままでに殆ど時間を割いていないので、3種レベル止まりの可能性が高く、コメントすることが殆ど無いです笑
計算タイプをおすすめする理由の半分は、↑のような変な理由からですが、もう半分はこれから書くような真面目な理由からです。
戦略1 過去問の傾向を把握する
電験3種では過去問を殆ど解かなかった私ですが、電験2種からは真面目に過去問を解くようになりました。過去問の大切さは、電験3種を合格してきた皆さまなら分かるかと思います。
が、電験2種に挑戦する人によくありがちなことなのは、昭和の過去問を一生懸命解いていることです。そして、「難しい?!」と言いながら、1問の解答を完成させることに1日を使ったりしていることです。
頭ごなしに否定するわけではありませんが、私がお勧めしない理由は主に2つです。
1つは、昭和の問題は難しすぎて、今の問題とレベルがかけ離れていることです。電験1種レベルもちらほら見られます。筋トレで例えると、明らかに持てない重さのダンベルで筋トレをしようとして、結局トレーニングができずに筋力を付けられないようなものです。
もう1つは、そもそも昭和の問題形式が最近出題されていないということです。昭和の問題は最近の問題と基本的な概念は似ているのですが、条件が特殊だったりするので、やるだけ時間がもったいないと思います。
ということで、電験の新制度に移行した平成7年以降の傾向把握で十分です。
この傾向とは異なる問題が出題されて、すぐに解法が思いつかないときは、選択しないで逃げます笑 先ずは典型問題を完璧にして下さい。奇問は余裕がある人のための問題です。
戦略2 計算問題に特化する
次に、平成7年以降の問題を計算問題と論述問題に分類してみます。
前半の「電力・管理」では、電力から4問程度、管理からは2問程度出題されます。
電力のうち60%、管理のうち40%は計算問題となることが過去問からわかります。
つまり、
\begin{align}
4問\times60\%+2問\times40\%&=3.2問\\
\end{align}
は計算問題となります。
ここで、出題構成に立ち戻ってみましょう。
「電力・管理」では6問出題されて、この中から4問選択して解答します。ですので、4問を全て計算問題に選択できる年度もたまにですがあります。つまり、使う公式とか解法の流れが似通っている計算問題を抑えておけば、合格ラインの6割(4問×0.6=2.4問解答)を越える可能性が十分にあります。
ちなみに、去年の「電力・管理」では、、、、過去問を抑えていると解ける計算問題がほとんどでしたね。ここまでの論調が覆されなくて良かったです笑
戦略3 機械・制御は問題を絞る
「機械・制御」は4問の中から2問選択して解答します。そして計算問題のウェイトは3.4/4問となります。
つまり、論述問題の対策をする必要がありません。
機械・制御の出題範囲は次の6分野です。
- 直流機
- 同期機
- 誘導機
- 変圧器
- パワーエレクトロニクス
- 自動制御(モーター制御等のロジックを数式で解いていく問題です)
印象としては、パワエレと制御が毎年必ず出題されて、残り2問が直流機・同期機・誘導機・変圧器の中から出題されています。全て対応できるようにしておけばベストなのですが、電気科で勉強をしたことがない私にとって、二次試験レベルのパワエレは未知過ぎて速攻で捨てました笑
ただ、安易に捨てる決断をしたわけではありません。パワエレ以外の分野は得意だったので、それらを完璧にして2/3問で挑戦しようと考えての、戦略的撤退です。
ちなみに、去年の「機械・制御」では、、、、自動制御が電験1種の範囲の問題(ラプラス変換と行列の融合問題)で、私が受験したときにこれが出題されていたら間違いなく解けていなかったですね汗
でも、誘導機と変圧器の問題が過去問の範囲内でしたので、この2問を選択していたと思います。
こんな感じに、1問が過去問の傾向から外れていても、他の2問で対応できるようにしておけば安心です。少なくとも、パワエレか制御は完璧にしておきたいですね。
戦略4 たくさん解く
ここまでで、計算問題に特化する(私なりの)理由が何となく分かっていただけたかと思います。あとはたくさん演習するだけです!
ただ闇雲に演習すると言っても、以下のような参考書を使用するのはお勧めできません。
理由は、分野毎に構成されていないため、類似問題を見比べたり、連続して解き続けたりする使い方には向いていないからです。過去問を使う理由の1つに、類似問題を徹底的に解くというのがあるかと思いますが、それをするには分野ごとに問題を再構成した参考書を使うのがストレスが無くて済みます。
というわけで、私がおすすめするのはコチラです。
紹介する以上はデメリットも述べておこうと思います。
この本は平成7年から30年までの問題を収録しているので、令和1年以降は試験センターのHPでダウンロードするか、他の参考書で補完する必要があります。
もう1つのデメリットは誤植が目立つところです。どこが間違っているかは出版社のHPで確認して下さい。私は誤植正誤表の存在を知らなかったので、一次試験の参考書として使っていた完全マスターに掲載されている過去問と解説を照らし合わせていました。。。
また、電験2種二次試験では計算量が3種の比ではありません。使う公式もさることながら、1問あたりの計算量も格段に増えます。電卓の機能をまだマスターしていない方は、この機に是非マスターして下さい。マスターした分だけ合格に近づきます。
論述問題はどう対処したか?
参考書の論述問題のページではマーキングとか書き込みをしていましたが、自分でまとめノートを作ったり、英単語を覚えるような暗記メモを作ったりはしませんでした。まして、論述問題がメインの参考書は買わなかったです。
どうしても論述問題を選択しなければならない状況になったときでも、一次試験までの知識・キーワードで部分点を取れればいいな、程度の完成具合です。
頻出の火力発電は論述問題の中でも比較的意識して注力しましたが、それ以外はコスパ的に計算問題の過去問をやった方が良いのが感覚的に分かっていたので、論述問題にかける時間は少な目でした。
今年の出題予想
個人的には太陽光発電所の連系問題が出るのではと思います。
傾向に照らし合わせた根拠は皆無なのですが、
- 電験2種が必要な設備は今後再エネを中心に爆発的に増えていくこと
- 連系に関する電気的現象が、位相遅れや送電線の電圧降下の典型問題に合致していること
が理由として考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
計算問題か!と思って実際に問題を解きはじめると、最初は難しいと感じるかと思います。
でも、何とかして、出来る限り最初から理解して欲しいです。分からないで次に進むと考えていた時間がもったいないですし、最初の1問を抑えておくと他の問題が芋づる式に理解できるようになることが多々あるからです。
2周目以降のサイクルを回す方法についてはこちらをどうぞ。
今後は二次試験問題の解き方について、参考書でもなかなか詳しく書いていない部分などを、独自解釈をふんだんに盛り込んだ形で記事にしていこうかと考えています。
そのときをお楽しみに!
それでは次回!
ケンタさんおはようございますm(_ _)m
過去記事へのコメント失礼します。
二次突破の仕方よくわかりました。ありがとうございますm(_ _)m
一次の突破は、過去問中心でなく、1種の合格体験記で紹介されていました、2種完全マスターシリーズをやり込まれたのでしょうか?
教えていただいてばかりですみません。汗
>やまさきさん
コメントありがとうございます!
順番がめちゃくちゃですみません。
その通り、完全マスターシリーズをやり込みました。
私は本当に何となくで完全マスターを選びましたが、2種でやめるのならばこれだけシリーズでも十分かもしれません。
2種を目指すために3種で完全マスターを使うなど、上の資格を目指すのならば完全マスターをおすすめします。
コメント失礼致します。
電験2種に興味があり色々と調べております。
参考書の二次試験の解答を見ると、とても細かく丁寧に書かれていますが、実際の試験でここまで細かく文章や計算式を書けるのだろうかと心配になってきます。
ケンタ様は対策や実際の試験ではどこまで細かく記述されていたのでしょうか?
ご教授いただければ幸いです。
>大澤さん
非常に興味深いコメントありがとうございます!
計算問題は思考の後が分かれば良く(極端に言えば途中計算を全く書かなくても恐らくok)、論説はキーワードを押さえていれば合格ラインを越えると思います。
詳しくは記事にさせてください。
来年の電験2種受験にむけて始動しました。
参考書は、ケンタさんお勧めの「徹底マスター」より、理論(改定2版)を購入して、今月から取り組んでます。
しかしながら、「徹底マスター」がシックリしません。
理由は、①とても誤植が多いこと。②レベルアップ必要なことわかりますが、むずかしくて、ポイントがわからない。③例題が少ないこと などです。
3種では、「完全マスター」シリーズを使用していましたが、
「徹底マスター」での学習をを継続していくべきか? 参考書の見直しをすべきか? アドバイスください。
>steveさん
コメントありがとうございます!
マイナーな資格ですので、誤植とはうまく付き合っていくしか無いと思います。
オーム社さんなのでそれでも少ない方ではないでしょうか。
3種で完全マスターを使っていたのでしたら、2種の徹底マスターでもそれほど手こずらないかと思いますが、3種の完全マスターの理解度に自信はありますでしょうか?
無いのならばこの時期はまだじっくり勉强する期間ですので、一度3種完全マスターをきちんとこなせるようにしておくのも手です。
徹底マスターシリーズは確かに例題が少ないかもしれませんが、章末問題も含めれば少ないということはないです。
1周目は参考書全部の問題をゴリゴリ理解するのに専念して、2周目以降に高い視点からポイントを掴むような学習というのはいかがでしょうか。
私はこのように学習していました。2種完全マスターをですが。
どちらにしろ、理論科目は4科目の中で一番3種とのレベル差がありますので、焦らずやるのが良いかと思います。
参考までにこちらの過去記事をどうぞ。
https://den1-tanaoroshi.com/challenge-in-den2riron
ケンタさん、コメントありがとうございました。
3種の完全マスターですが、それなりにこなしたつもりです。受験前は、例題の9割近くは回答できるレベルだったと思います。他には、何も使ってません。
でも、2種の徹底マスター(理論)の解説、問題こなしてますが、ともに 難易度が高いなって感じています。
まず、アドバイスどおり、『1周目は参考書全部の問題をゴリゴリ理解するのに専念して、...』で進めてみます。 何周かまわして、レベルアップを認識できた時点で、過去問に取り組みたく思います。