皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
ついに過去問再挑戦シリーズが最終章に突入してきました。
思えば、一昨年6月にブログを始めたときから続いているシリーズなので、当ブログで1番長く続いているシリーズになります。というか正直、早く終わらせたいという感じですが、新電気の連載をし始めたり、ラプラス変換本を出したりと色々慌ただしく去年を過ごしていました。
今年の抱負では過去問再挑戦を終わらせると述べていたものの、年が明けて1ヶ月を優に過ぎた2月になって漸く重い腰を上げての再スタートとなります。
前章は技術士一次試験だったわけですが、そのときの日付が去年の1月だったのを見て、今年の電験2種の過去問再挑戦はもっと遅い時期からのスタートとなったことを今さらながら知りました。。。
電験2種は最終章ですので、無理矢理にでも始めてしまえば最後までやるだろうという惰性的な考えのもと、先ずは一次試験の理論科目をスタートさせたわけです。
過去問は最新年度の平成30年度を
鮮度が一番高く、去年の10月に受けた方も試験内容を覚えている可能性が高い平成30年度を選びました。
理論科目を解き終わってから気付いたのですが、二次試験ってまだ公式解答が出ていないんですよね。この記事を書いているのが実は12/30で、微妙に2019年の抱負とかと時系列が前後していて気持ち悪いところはあるものの、時間がある年末年始に二次試験まで(記事作成も含めて)やりきってしまおうかという出鼻を早速挫かれてしまいました。
とは言っても、確か1月上旬に公式解答が出るはずですので、このままのペースでやりきってしまおうかと思います。
電験2種の理論科目とは
理論科目は電験3種が終わって電験2種に移ってきた方が1番最初に取り掛かる科目であるうえに、最も3種とギャップの激しい科目ですので、モチベーションが一気に下がる方が多いかと思います。
また、なんと言っても計算量が多いです。微積分は当たり前のように使いますし、複素計算も文字が多い中で計算するのが普通になってきます。
知識としては電験3種で学習したものが部分的にでも有りますので、ゼロから勉強し直すということではないです。が、やはり計算量が多くなってきますので、ここで計算に慣れておかないと、二次試験の計算問題でもっと大変な目に合う可能性が出てきます。
と、色々と脅しましたが、このあたりは勉強しているご自身が1番わかっていると思いますので、結果発表に移りたいと思います。
結果発表!
90/90点で満点でした!
勘のところが1,2問ありましたが、まぐれでも正解となり幸先の良いスタートです。
電験1種一次試験を受けたのは2年半くらい前でしたので、色々と忘れているかかなり心配だったのですが、数学が絡んでくる基礎的なところはまだ大丈夫なようで安心しました。
解き始める前
まず試験時間を調べるところから始まりました。試験時間は90分でした。
このシリーズの最初に電験3種の理論を解いたときと同じく、危うく60分で解こうとしてしまいました笑
が、ここで少し悪乗りして70分縛りでやってみることにしました。
なお、今回の時間計測には、この前紹介した学習用デジタルタイマーを使いました。
試験開始!
ざっと目を通す
1.5分掛けて全体に目を通しました。
平成30年度の理論科目は全て計算問題だったんですね。
あと、オペアンプは久しぶりで自信が無かったので、選択問題では誤差問題を選ぶことにしました。
問1からスタート
点電荷の磁界の強さの公式がぱっと出てこなかったですが汗、導出を何となく覚えていまししたのでその場で導出することにしました。
クーロンの法則\(F=k\frac{Q_1 Q_2}{r^2}\)と、\(F=qE\)から
\begin{align}F&=k\frac{Q_1 Q_2}{r^2}\\
&=Q_1\times k\frac{Q_2}{r^2}\\
\end{align}
ということで、
\begin{align}E=k\frac{Q_2}{r^2}\\ \end{align}
を導出しました。
あとは、磁界ということで、ベクトルであることに注意して解いていきました。
最後の最大値を求める問題は楽な解法が思い浮かばず、仕方なく微分を使いました。
\(b\)の関数である\(f(b)\)が
\begin{align}f(b)=\frac{b}{(a^2+b^2)^{\frac{3}{2}}}\\ \end{align}
と表されたときに、\(f(b)\)が最大となる\(b\)を答える問題です。
\begin{align}f(b)&=\frac{b}{\sqrt{(a^2+b^2)^3}}\\
&=\frac{b}{\sqrt{a^6+3a^4 b^2 +3a^2 b^4 +b^6}}\\
&=\frac{1}{\sqrt{\frac{a^6}{b^2}+3a^4 +3a^2 b^2 +b^4}}\\
\end{align}
と変形して、分母の中身の関数に着目しました。この関数を
\begin{align}g(b)=\frac{a^6}{b^2}+3a^4 +3a^2 b^2 +b^4\\ \end{align}
とします。
この関数を\(b\)で微分しました。
\begin{align}g'(b)&=-\frac{2a^6}{b^3}+6a^2 b +4b^3\\
&=\frac{4b^6+6a^2 b^2-2a^6}{b^3}\\
\end{align}
厳密には増減表を書かないと、この関数が0となるところで\(\boldsymbol{f(b)}\)が最大となるのか最小となるのか分かりませんが、分子が0になるのは選択肢を代入してみると\(b=\pm \frac{a}{\sqrt{2}}\)だけというのが分かりましたので、消去法でこれを選びました。
記述式でこのように論理展開したら間違いなく減点となりますが、マーク式ですしこのくらいは手を抜かなければ到底時間が足りません。
問2
磁気回路方程式の問題でした。
これも方程式を思い出すところから始まり、最後の自己インダクタンスと相互インダクタンスのところも、きちんと導出して答えました。
というか、今回は磁気回路が特殊ですので、自己インダクタンスと相互インダクタンスの部分は公式に単に代入しただけだと、不正解になった可能性が高いです。
問3
過渡現象でした。せっかくですので、簡易式ではなくラプラス変換で解いてみました。
まとめ
理論科目には得意な計算問題が多く、一部勘もあったものの、何とか満点を取ることができました。
試験時間70分縛りはギリギリ達成できました!計算間違えが何箇所かあって、その確認に手間取ってしまったのが痛かったです。
この調子で電力科目に取り掛かろうと思います。
それでは次回!
コメント失礼します。
電験二種理論縛りで満点凄いですね!
どうやったら、満点なんて取れるのか教えていただきたいです!
>さくらんぼさん
コメントありがとうございます。
twitterでもコメント頂いていたようですので、こちらでまとめて返信します。
(私がコメント承認するまでは表示されない仕組みですのです。なかなか表示されないときは私がブログをサボっているときです笑)
満点なのは、
・そもそも理論が得意
・電験1種二次試験に比べるとかなり計算が楽
・昨年の理論に特段奇をてらった問題が無かった
という感じでしょうか。
既に理解されているかと思いますが、満点を目指すくらいであれば他の科目にリソースを割いた方が最終合格にぐっと近づきます。
ご返信ありがとうございます。
コメントが表示されなかったので、上手く送れてないのかと思っていました(笑)
自分も理論は得意な方だと思いますが、それでも満点までは厳しいですね…
一種の理論は計算量がかなり多いですよね!
因みに一種の理論だとどのぐらい点数取れますでしょうか?
んー、よく覚えていないですが7割ちょっとだったと思います。
電験1種一次試験は2種の知識で突破できました。
すいません、電験について質問があります。
二種の一次試験貰い物で27年度版電力15年間の過去問が手元にあるのですが、態々最新版を買わなくても大丈夫でしょうか?
後々一種も取りたいと思ってあますが、一種も15年間だけで一次試験を突破する事は可能でしょうか?
>匿名さん
コメントありがとうございます!
平成26年度までの15年分をやれば問題ないとは思いますが、心配であれば試験センターで平成27~30年度分に挑戦してはいかがでしょうか。
解説はOHMの11月号のバックナンバーを探せば入手することができます。
一種に二種の15年分で対応することは可能です。もちろん一種の15年分でも対応できます。(どちらの15年分を指しているのかわかりませんでしたが、どちらでも対応可能です。)
ただ、二種の15年分で対応しようとするならば、9割以上を余裕で解けておく状態に持っていく必要があります。ここまで仕上げれば6割は取れるはずです。