勉強のコツ

重ね合わせの理|電圧源は短絡・電流源は開放になる理由と使う時の注意点

重ね合わせの理|電圧源は短絡・電流源は開放(黒板チョーク図)

皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。

重ね合わせの理で手が止まるのは、「計算しない側の電源を、短絡と開放のどちらで消せばいいのか」で迷うところではないでしょうか。電圧源は短絡、電流源は開放——結論はこれだけなのですが、丸暗記しようとすると本番でどっちがどっちか分からなくなります。この記事では、電圧源が短絡・電流源が開放になる理由を、丸暗記せずに毎回導ける考え方として整理します【PR】。

📌 この記事でわかること

  • 重ね合わせの理で「対象でない電源」を消すときのルール
  • 電圧源が短絡・電流源が開放になる理由(丸暗記しない考え方)
  • 重ね合わせの理を使うときの注意点(内部抵抗の扱い、ほか)

重ね合わせの理とは

重ね合わせの理(重ねの理)は、複数の独立電源を含む線形回路で使える考え方です。ひとことで言えば、次のようになります。

重ね合わせの理のやること

  1. 電源が複数あるとき、電源を1個だけ生かして、残りは消す
  2. その状態で、知りたい枝の電流(または電圧)を計算する
  3. これを電源の数だけ繰り返し、最後にすべて足し合わせる

1個ずつ計算するので回路がシンプルになり、電源が2〜3個ある回路をキルヒホッフの連立方程式でまとめて解くより、見通しよく解けることがあります。連立方程式で押し切る解き方はキルヒホッフの法則の記事にまとめているので、あわせて使い分けてみてください。

ケンタ
ケンタ
電源が1個なら重ねの理を使う意味はありません。2個以上あって、片方ずつなら簡単に解けそうなときに効いてきます。

対象でない電源はこう扱う:電圧源は短絡・電流源は開放

手順2で「残りの電源を消す」と書きましたが、この消し方が重ね合わせの理の山場です。ルールは次の2つだけです。

  • 電圧源を消すとき → 短絡(そのままの導線に置き換える)
  • 電流源を消すとき → 開放(そこを切り離す)

問題はここからで、「電圧源は短絡だっけ、開放だっけ?」と本番で迷うのがいちばんの失点パターンです。そこで、丸暗記せずに毎回その場で決められる考え方を次にまとめます。

なぜ短絡・開放になるのか(丸暗記しない考え方)

コツは、「その電源が決めている量を、ゼロにする」と考えることです。電源を消すというのは、その電源に仕事をさせない=出力をゼロにする、という意味だからです。

「決めている量をゼロにする」で考える

  1. 電圧源は電圧を決める装置。だから消すときは電圧をゼロにします。両端の電位差がゼロの区間は、ただの導線と同じ=短絡です。
  2. 電流源は電流を決める装置。だから消すときは電流をゼロにします。電流が流れない枝は、切れているのと同じ=開放です。

この一手間を入れておくと、短絡か開放かで迷いません。電圧源=電圧を0にするから短絡、電流源=電流を0にするから開放、と自分で導けるようになります。

たとえば電圧源と電流源が1個ずつ入った回路なら、まず電流源を開放して電圧源だけの回路で目的の電流を求め、次に電圧源を短絡して電流源だけの回路で同じ枝の電流を求め、最後にその2つを足すだけです。「片方を消す=その電源が決めている量をゼロにする」と唱えれば、毎回この手順で組み立てられます。

ケンタ
ケンタ
私は公式や作法をできるだけ丸暗記せず、「なぜそうなるか」から毎回作り直す派です。忘れても現場で組み立て直せるので、そのほうが結局忘れにくいと感じています。

重ね合わせの理を使うときの注意点

重ね合わせの理で実際に手を動かすとき、いちばん間違えやすいのが「内部抵抗の扱い」です。

実際の計算で効く注意点:内部抵抗は残す

  1. 内部抵抗を持つ実際の電源では、電源本体を短絡・開放に置き換えても、内部抵抗はそのまま回路に残します。消すのは「電源の出力」だけです。
  2. ここを電源と一緒に消してしまうと、回路の抵抗構成が変わって答えがずれます。電源記号と内部抵抗は切り離して考えるのがコツです。

電源を消す=出力をゼロにするだけで、内部抵抗は残す——この一点さえ外さなければ、重ね合わせの計算でつまずくことはほとんどありません。

なお、重ね合わせの理には原理的に「そのままでは使えない・足せない」場面も2つあります。電験の試験で問われたことはまずありませんが、定理の性質として軽く知っておくと安心です。

  • 非線形回路には使えない:重ね合わせは回路の線形性が前提です。ダイオードなどの非線形素子が入ると、そのままでは適用できません。
  • 電力は重ね合わせできない:足せるのは電流や電圧まで。電力は \(P=I^2R\) と電流の2乗になるため、各電源だけで求めた電力を足しても全体にはなりません(電力は合成した電流から計算します。式の足し合わせでの落とし穴は式展開のワナの記事もご参照ください)。

回路の解き方は過去問で固めるのが近道

重ね合わせの理は、理屈が分かっても「どの問題で使うと速いか」の判断は演習でしか身につきません。キルヒホッフや重ね合わせといった解き方を、過去問で同じ回路に何度も当てながら、手が自然に動く状態に仕上げていくのが結局いちばんの近道です。解説付きの過去問(電験三種の過去問徹底解説)を使えば、解き筋をたどりながら効率よく回せます。

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