皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
先週の二次試験に参加された方、お疲れ様でした。
今年は電験1種、2種ともに波乱が起こり、試験会場で落胆された方が多いかったかと思います。今年だけの話なのか、来年もこの傾向が続くのは分かりませんが、去年の現代制御事件を彷彿とさせて、2年連続で事件が起こっているような気もしなくはないです。
その辺りのこと中心に二次試験を取り上げているブログが少ないので、3種のときとは違って記事にしてみようと思います。
計算問題の内訳は?
私は電験1種・2種とも受験時に一貫して計算問題重視派を通してきました。
理由は単純で、
- 数学・物理に強いこと
- 電気科卒でないこと
- 需要家設備の経験しかないこと
ってな感じですので、計算問題で得点を稼ぐしかないのです。
しかし、今回は計算問題重視派を◯しにかかるような傾向でした。特に電験1種がそうでした。
電験1種・2種ともに
- 電力・管理→2問
- 機械・制御→4問
でした。
電力・管理について、電験1種は2問でも例年並みかなと言えなくもない問題数ですが、電験2種で2問ははっきり言って少ないです。3問でもちょっと少ないだろ…と思う程度ですから。
少し問題の内容に踏み込んでみます。
自分が現役だったら選択していた問題
公式解答が発表されていない段階ですので皮算用ではありますが、「自分が現役受験者ならこの問題を選んで、このくらいの解答率だっただろうな」ということを考えてみたいと思います。
電験2種
電力・管理は問2(5割弱)、問3(5割)、問4(完答)、問5(8割)
問1(1)のガスタービンと大気温度については、電験1種を受験する時になって初めて知った知識でした。一方で、(2)で改善策と書いて有ることから、(1)は温度上昇が何かに悪影響を及ぼすということは何となく分かるので、大気を取り込む際にラジエーターか何かなりで冷やすことは書けたでしょうが、電験2種受験時は(1)をまるまる落としていただろうということで、選択しませんでした。
問2は(2)(3)(4)を選択して、それぞれ4、8、8割くらい書けたと思います。平均したところに、厳し目サイドで7割掛けると47%ということで、正答率は5割弱くらいかなと思います。
問3は(2)までは過去問を参考に解けたと思います。(3)は2chの書込みを見て理解したくらいですので、現役の時でも答えられなかったと思います。2/3が正解ですが、後半が重めであろうということで、正答率は5割とします。
問4は過去問と殆ど同じですので、計算ミスが無ければ完答したと思います。
問5は完答できていたでしょうが、厳し目に8割としました。
問6は(1)ではそれっぽいことを書けたでしょうが、(2)が全滅だと思いましたので選択しませんでした。
ということで、電力・管理の得点は
\begin{align}30点\times (47\%+50\%+80\%+100\%)=83点\\ \end{align}
くらいでしょうか。
機械・制御は問1(9割)、問4(完答)
問1は過去問と殆ど同じですので、完答…と言いたいところですが、説明記述が少し入っていましたので、キツめに9割としました。
問2は答えられそうでしたが、他の問題のほうが得点率が高そうでしたので、選択しませんでした。
問3はパワエレですのでスキップです笑
問4は少し問題が変則的な自動制御であるものの、過去問の範囲で十分対応できそうでしたので、完答したと思います。
ということで、機械・制御の得点は
\begin{align}30点\times (90\%+100\%)=57点\\ \end{align}
くらいでしょうか。
2科目をトータルすると
\begin{align}\frac{83点+57点}{30点/問\times6問}=78\%\\ \end{align}
となり、計算ミスが無い限り合格していたと思います。
問題は電験1種の方です。。。
電験1種
電力・管理は問1(8割)、問5(6割)、他は殆ど全滅
機械・制御は問1(完答),問2(現役の時でも全滅に近い)
ということで、得点率が
\begin{align}\frac{80\%+60\%+5\%\times 2+100\%+5\%}{100\%\times6}=43\%\\ \end{align}
お情けで全滅問題が5%得点できたとしても焼け石に水で、全体で4割くらいしか得点できなかったと思います。
理由としては、計算問題がそもそも少なく、出題された計算問題も過去問とは傾向の全く異なる問題だったからです。
電力・管理は暫く出題されていない送電事故の問題が今年も出題されず、頻出の四端子定数も出題されませんでした。。。代わりに出題された計算問題は、「回転方程式と微分方程式を使うんだろうな」というのが辛うじて分かるくらいの問題で、(1)から既に分かりませんでした。
機械・制御は自動制御が過去10数年(私の持っている過去問分です)のどれとも似通わない問題が出てきました。。。去年の電験2種の現代制御事件を思い出しました。今年は電験1種ですかそうですか。。。自動制御は全く解け無さそうでしたので、パワエレ以外の消去法でV結線の変圧器問題を選んでいたと思います。現役の時は簡単なV結線問題であれば暗記することにしていたのですが、電験1種で暗記が通じるわけもなく、この問題は全滅していたと思います。勘で当たっていたとして、(4)まで有る中で、(2)までだと思います。
ということで、虫歯になるくらい甘々に見過ぎても正答率50%ですので、間違いなく落ちていたと思います。
私の持っているデータで平成16年度以降の最低合格ラインは、平成21年度の51.7%ですので、それでも無理でしょうね。過去問に近い計算問題が1問でも出題されればよかったのですが。
正直、私みたいな2種に毛の生えたレベルの計算問題人間を◯しにかかってきていますね。もちろん難化です。来年もこの傾向の問題が出てきたら、もちろん不合格でゼロクリアになりますし、私は1種受験を諦めていたでしょう。
数年後に易化してきたとしても、現役の感覚を戻すまでに途方もない時間を使うことになりますので、復活して再挑戦はあり得ないと思います。
今後の方針検討
電験1種は電力会社に勤務していない限り業務でどうしても必要になることにはならいので、この状況が続けば近い将来に諦めるという選択肢を取っていたと思います。ということで、多くの会社で必要になることが多いであろう2種に絞って今後の対策について考えてみます。
論述タイプとなるべきか
非常に極端な話をすると、(私と真逆で)論述だけのタイプの人もぶっちゃけ現場では微妙だと思います笑 そもそも、技術者として数字がわからないというのはどうなんでしょう。私の様な計算のみのタイプも微妙ではありますが、試験で合格する上では機械・制御も含めると計算のみのタイプの方がまだ希望があります。
今年は論述メインとなっていましたが、1年だけなので先ずは様子見をしてはどうかと思います。というか、大部分の受験者は需要家設備しか管理した経験がないでしょうし、中にはメーカーの方もいるわけで、試験での論述に出てくるような発電・送電・変電・配電の経験をしている人は極僅かです。そういうところで言うと、経験で答えるということができなく、1から覚えるということになれば計算問題とそれほど変わりません。と言うか、相変わらず計算問題と異なり、過去問の延長線上にあるような論述問題は出てきにくい状況ですので、コスパが悪い印象を持っています。技術者としての本来では、どちらもバランス良く取れるに越したことは無いのですが。
計算タイプとなった場合
計算しか取り柄がないからこんなことを言いますが、新年度以降の計算問題を完璧にしておけば電力・管理も6割を取ることが不可能ではないと思います。
今年は論述が4問を占める事態となったものの、
- 論述2問を4割(キーワードを書ければこのくらいは行きそう)
- 計算2問を8割
取れば6割達成します。今年は稀に見る計算問題が少ない年でしたが、何回か挑戦すれば計算が多い(少なくとも半分の3問)の年はくるはず(だと思いたいです)。
いつから論述対策をすべきか
二次試験2年目なら論述を対策し始めた方がいいかもしれません。ただし、新年度以降の計算問題を8割方完璧にしているのが前提です。と言うのも、
- 論述問題で満点まで持っていくのはかなり大変
- 計算問題と違い、この公式を押さえておけば応用が効くというものがないのでコスパが悪い
からです。二次試験1年目に論述対策をするにしても、先ずは計算問題を固めた方が効率的だと思っています。
まとめ
試験を受けた方はお疲れ様でした。
ボーダーラインにいる方や芳しくなかった方は、そろそろ勉強を再開する時期かと思います。気持ちを新たに、先ずは自身の勉強方針を再確認することから始めてはいかがでしょうか。
ちなみに、私の出題予想は当たっていました!笑
次回は今年の電験2種電力・管理問3の答案例(解答とは言っていません笑)を作ってみようかなと思います。
それでは次回!