平成28年度の電験2種に出題された現代制御について考察してみた

ボリュームコントロール

皆さまお疲れ様です。

去年の11月に電験業界にとっては衝撃的な事件が起こりました。

それは、電験2種に現代制御が新制度以降に初めて出題されたことです!

旧制度の出題履歴は情報が無いので分かりません。情報をお持ちの方がいましたら、コメントお願いします!

現代制御とは

ざっくり言うと、スカラー量の目的値$r(t)$からスカラー量の出力値$y(t)$を決定するまでのアルゴリズムに微分行列を含めて、多要素からなる制御を同時に行う系を指します。微分行列を使うことで複数要素の制御をまとめることができるので、同じ量の要素を含む古典制御よりシンプルなロジック体系とすることが利点なのでしょうか。(現代制御ができた経緯を知らないため、どちらの問題も解いた経験からこう推測します。)

これまで、現代制御は電験1種の出題範囲とされてきました。

電験1種の現代制御では『可制御性』とか『可観測性』が成り立つのかを確認する問題が出てきます。厳密な定義の違いの説明は上手くできませんが、転地行列とか行列式とか、時には3次正方行列の行列式とかを使って面倒な計算をするのが、典型的な出題の流れです。

去年の電験2種では

なんと、現代制御が出題されました!

これには私を含め驚いた方が大勢いたはずです。ましてや、受験者として試験場でその問題を見た方は一瞬頭が真っ白になったと思います。私は今でこそ、微分と行列が入っている自動制御の問題が存在することを知っていますが、2種受験者の頃は2種の自動制御がいわゆる古典制御に分類されることさえ知りませんでしたから笑

この問題を見て、瞬時に自動制御を選択せずに誘導機と変圧器の問題を選択した方はお見事です。試験慣れしていますね。しかし、実は問題をよく見てみると、行列を知っている人なら完答できなくもない問題だったんです。

今後の対策

去年の事件を経て、今年以降に受験する方の中には「今年は現代制御の準備をした方がいいのか?」と思う方もいるはずです。(というか、思った方から質問を頂いたので、先に質問者に返信をしてからこの記事を書いています笑)

結果から言うと、準備をしておいた方が良いです。もう少し具体的に言うと、現代制御ではなく行列の準備をしておいた方が良いです。

理由は主に2つです。

理由1.現代制御と言っても、電験1種での現代制御ほど新しい概念が出てきたわけではない。

先程も言いましたが、電験1種では『可制御性』とか『可観測性』が成り立つのかを計算して確認する問題が出てきます。一方で去年の電験2種の問題ではそのような計算をしません。

理由2.行列を知っていれば、後は問題の流れに乗って最後まで解答できる。

行列の四則演算行列式固有値を知っていれば、実は解けます。行列におけるこの3つは基本的なことですので、電験1種レベルの現代制御を抑えなくとも、今後出題される可能性を鑑みてやっておいたほうが良いのではないかと思います。行列の計算は特殊ですので、少しとっつきにくいかもしれませんが、四端子定数のところで行列を使って計算している人もいることを考えると、そこまで高くないハードルかと思います。

まとめ

  • 今後は出ないだろう
  • 去年出たから少なくとも今年は出ないだろう

タカをくくってバッサリ切ってもありなような気もしますが、今年出題されるリスクより、行列の基本を抑えるために他の問題を疎かにするリスクの方が個人的には圧倒的に小さいので、私なら行列の基本を抑えるようにします。

この記事が試験前の直前となってしまい申し訳ないです。ですが、今から準備しても手遅れというほど時間がかかるものではないので、準備してはいかがでしょうか。

それでは次回!

コメント

  1. 匿名 より:

    初めてコメントします。
    私は28年度に二種合格した口になりますけど
    あの制御は本当にびっくりしました。
    制御はいつもワンパターンだからと思って最初から数に入れて挑んだんですけど
    ぱっと見で無理とわかりやめました。
    本当誘導と変圧器が解けて当然レベルの簡単な問題で助かりましたが……
    今は一種の勉強をしていますけど、こういうこともあるから捨てジャンルは一つ程度にしておかないとダメなんだと痛感しています。

    • ケンタ より:

      >匿名さん
      コメントありがとうございます!

      去年は事件の中、合格おめでとうございました笑
      私も去年受けていたら、同じように誘導機と変圧器の問題を選んだと思います。

      電験1種も引き続き頑張って下さい!

  2. 梅三郎 より:

    こんにちは。

    「昨年の2種現代制御は事件・事故」っという意見が私の周りでも圧倒的ですが、1種の問題が2種に降りてきている現状や、制御は毎年出されててて出題側もネタ切れでしょうし、今年(再来週)出なければ出なかったで来年以降出題される確率は逆に高まる気もします。そしていずれ古典・現代お構いなくになっていくんでしょうね。万年受験生だと余計影響が...

    2種の過去問集はもちろん参考書類には現代制御の解説がなく、また行列も「入門帖」あたりだとチョロチョロっとしか書いてないし、「はじめての現代制御理論」読んでも意味不明で...

    来年の二次までたっぷり時間があるので、今から勉強始めたいと思います。
    数学力が乏しい私のような者には、ものすごくハードルが高い資格試験ですね...

    • 梅三郎 より:

      連投ですみません。

      オーム社の「電気電子数学入門 線形代数・ベクトル解析・複素数」が、数学力の乏しい私にはピッタリという事が判明いたしました。
      「このレベルぅ?」っと言われるかもしれませんが、そうなんですそんなレベルなんです。

      • ケンタ より:

        >梅三郎さん
        いえいえ、コメントありがとうございます。

        いつも行く本屋に置いていなかったのでその参考書のレベルが分かりませんが、最終的に二次試験の問題が1問30分で解けるようになれればいいですね!
        他の本屋でも探してみます。

    • ケンタ より:

      >梅三郎さん
      いつもコメントありがとうございます!

      記事にも書いた通り、電験1種のレベルまで押さえる必要はないと思います。となると、行列式とかそこから作られる二次方程式を押さえれば対応完了だと思ってます。

      固有値とか難しい単語を使ってますが、要は二次方程式(特性方程式とも言います)の解の事ですよ。