皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
2024年夏に公開した電験3種は過去問を●●年分単純暗記すれば合格できる!?では,令和5年度上期・下期の筆記試験を対象に「過去問の単純暗記で60%を超えるには何年分必要か」を検討しました。
あれから令和6年度上期・下期,令和7年度上期・下期と4回分の筆記試験が積み上がり,過去問からの出題傾向がさらに鮮明になってきました。本記事は前回記事のデータ補完版として,前回分析した令和5年度上期に,令和5年度下期~令和7年度下期の5回分を加えた計6回分を横並びで観察し,単純暗記戦略が今後も通用するのかを再検証します【PR】。
過去問出題比率の推移(6回分サマリー)
まず,各回・各科目で「出典が特定できた問題数/総問数」を過去問比率としてまとめます。出典が不明のものは新規問題として除外しています。
| 試験回 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和5年度上期 | 16/18 | 14/17 | 15/18 | 11/13 | 56/66(85%) |
| 令和5年度下期 | 18/18 | 16/17 | 15/18 | 12/13 | 61/66(92%) |
| 令和6年度上期 | 17/18 | 11/17 | 13/18 | 11/13 | 52/66(79%) |
| 令和6年度下期 | 17/18 | 12/17 | 15/18 | 12/13 | 56/66(85%) |
| 令和7年度上期 | 17/18 | 14/17 | 17/18 | 12/13 | 60/66(91%) |
| 令和7年度下期 | 15/18 | 12/17 | 18/18 | 9/13 | 54/66(82%) |
6回を通じて過去問比率は概ね80~90%台で推移しています。令和7年度下期の機械科目は18問中18問すべてが過去問由来という結果になりました。
新傾向:そのまま出る過去問が減り,「改変」が主流に
過去問比率が高いという話を聞くと「過去問を覚えれば丸々そのまま出る」と思いがちですが,直近の傾向はそう単純ではありません。令和7年度下期の調査資料では,各科目の過去問問題について類題(問題文や数値が微妙に異なる)と選択肢入替(選択肢の順番が変わっている)の内訳も判明しました。
| 科目 | 過去問問題数 | うち類題 | うち選択肢入替 | 原題そのまま |
|---|---|---|---|---|
| 理論(R7下) | 15問 | 7.5問 | 6.5問 | 1問程度 |
| 電力(R7下) | 12問 | 7問 | 5問 | 0問 |
| 機械(R7下) | 18問 | 5問 | 13問 | 0問 |
数字だけ見ると「過去問比率100%」の機械でも,原題そのままの出題はゼロという結果です。令和7年度上期と比較しても選択肢入替の割合がさらに増えており,単純に答えの記号を覚えるだけでは対応できない問題構成になっていることが読み取れます。
最古の出題元は平成一桁まで
各回の出典年度を眺めてみると,平成25年~令和3年あたりのレンジが中心ではあるものの,平成7年・平成8年・平成9年といった20年以上前の過去問も引き続き出題元になっています。
特に令和6年度下期の理論では平成7年問1が出題されるなど,最古層の過去問もターゲットから外せません。前回記事で「22回分の単純記憶で全科目合格圏」と試算しましたが,過去問集がカバーする年度幅が狭すぎると取りこぼしが発生することを改めて確認できる結果です。
単純暗記戦略は「意味を理解した暗記」へアップデートが必要
前回記事では「単純暗記でどこまで戦えるのか」という思考実験を行いました。令和5年度下期~令和7年度下期の5回分を並べてみると,その実験結果は次のようにアップデートできます。
- 過去問比率は依然として80~90%台で高水準。過去問学習の投資対効果は引き続き高い
- ただし原題そのままの出題はごく少数。選択肢入替や数値差し替えが主流
- つまり,解答記号の丸暗記ではなく,解法のロジックを理解した上での暗記が必要
- 解説付き・年数カバー範囲が広い過去問集の有用性は相対的に上昇している
前回記事で算出した「22回分」という年数目安は令和5年度上期・下期時点の配点重み付け試算です。本記事の対象である令和6年度以降は,出典が空欄(新規問題として集計)の問題が一定数あり,同じ精度で再計算すると必要年数が過大評価されてしまうため,科目別得点率の再計算は行っていません。ただし6回分を通じて次のことが観察できます。
- 各回の出題元年度の最古層は平成7~9年に達しており,前回記事の「22回分」(平成17年度までカバー)よりも広い年度幅が現実的な射程になっている
- 過去問比率は80~90%台で高止まりしており,前回の「22回分」目安を下方修正する材料は見当たらない
- 選択肢入替の割合が増えたことにより,同じ22回分でも覚え方の質(解法理解の深さ)が合否を分ける構図に変化している
本記事のまとめとしては,年数目安は引き続き「約22回分」を据え置きつつ,各問題の解法ロジックを理解しながら覚えることが,選択肢入替にも耐える合格力につながります。
該当する過去問集
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- 全問題に解法の考え方まで踏み込んだ解説が付属
- 半期ごとに最新年度と最古年度を2回分ずつ追加していく運用
解説を読みながら解法ロジックを身につけていけば,選択肢入替や数値差し替えが来ても対応しやすくなります。
前回記事。令和5年度上期・下期を対象に「単純暗記で合格ラインを超えるには何年分必要か」を科目別に試算。本記事のベースとなる考え方を解説しています。
まとめ
令和5年度上期~令和7年度下期の6回分の筆記試験を横並びで観察した結果,次のことが分かりました。
- 過去問出題比率は80~90%台で高止まりし,過去問学習の投資対効果は維持
- ただし原題そのままの出題は激減。類題と選択肢入替が主流になり,丸暗記では不利
- 平成一桁の過去問も引き続き出題元になっており,カバー年数の広い過去問集が重要
- 前回記事の「22回分」の目安は据え置きが妥当。ただし解法理解を伴う暗記でないと選択肢入替に対応できない
今後もR8上・R8下と試験回が積み上がるごとに傾向をアップデートしていきます。引き続き当ブログをよろしくお願いいたします!
※本記事は過去問徹底解説のPRを含みます。





