電験一種の二次試験は、論述と計算の比率を把握することが攻略の第一歩です。
新制度(平成7年度)以降の出題データを集計すると、電力・管理は近年4〜5問/6問が計算問題、機械・制御は実質4問中3.5問が計算問題です。計算問題を仕上げることで電力・管理単独で合格点(満点の60%)を達成できます(計算3問 × 30点 × 0.8 ÷ 120点 = 60%)。
この記事では、昭和38年度〜平成28年度の出題傾向を数値データで分析し、計算特化戦略が有効な根拠を解説します。電験一種 合格体験記(一次試験編)の続きです。
電験一種 二次試験の出題傾向データを集める
電験一種の参考書は三種に比べて種類が極端に少なく、過去問の傾向把握から苦労します。電験二種二次試験のときは不動先生の「電験二種完全攻略」に平成7年以降の過去問が収録されていたので傾向把握が容易でした。
傾向把握の情報源:電気計算のバックナンバー
電験一種の場合、「電験1種模範解答集」を各年度分揃える方法もありますが、古い年度はプレミア価格で青天井になっています。電験二種完全攻略のような便利な1冊がないのが一種の難しさです。
代わりに有効だったのが、「電気計算」誌のバックナンバー(2011年3・4・6月号)です。図書館のバックナンバーで入手でき、以下の情報が昭和38年〜平成22年度にわたって一覧化されていました。
- 3月号:電力・管理の出題内容一覧(昭和38年〜平成22年度)
- 4月号:機械・制御の出題内容一覧(同)
- 6月号:旧制度の口述試験内容
各年度について、10〜20文字のキーワードお題目(「論」か「計」のマーク付き)、出題分野、類似出題年度、参考図書と参照ページまで網羅されています。傾向把握のためだけなら、これで十分です。
電力・管理の出題傾向:分野別と論述 vs 計算の比率
新制度(平成7年度)以降16年間のデータを分析しました(6問/年 × 16年 = 96問)。
分野別出題数
送配電の送電特性(15問)と故障計算(11問)は計算問題で頻出です。力学が0問なのは旧制度の名残で設けられた分野だからです。
論述 vs 計算の比率(16年間)
| 6問出題時の推定問数 |
全期間平均では計算問題は6問中約2問ですが、近年は増加傾向があります。直近5年(平成24〜28年度)の計算問題出題数は以下の通りです。
直近平均の3.6問から保守的に3問を計算問題と仮定すると:
\(\frac{3 \times 30 \times 0.8}{120}=60\%\)
計算問題3問で8割を取れば、電力・管理単独で合格点に届きます。電験一種は過去問の類似問題が比較的間を空けずに登場するため、解法を暗記レベルまで仕上げれば十分対応できます。過去問の具体的な取り組み方は計算問題の解き方で解説しています。
論述問題の対策方針
電験一種の論述問題は、問題文のキーワード自体が未知になることがあります。電験二種二次試験と同様に、知っているキーワードの問題に絞り、解答のキーセンテンスを確認する程度が現実的な戦略です。論述に過度な時間をかけるより、計算問題の精度を上げることを優先します。
機械・制御の出題傾向:計算問題が9割
機械・制御(誘導機・同期機・直流機・変圧器・パワエレ・自動制御の6分野)の論述・計算比率は以下の通りです。
| 4問出題時の推定問数 |
機械・制御は4問出題のうち約3.5問が計算問題です。パワエレが苦手でも残り2.5問を得意分野の計算問題として攻略できます。電力・管理より計算特化の恩恵が大きい科目です。
まとめ
電験一種二次試験の出題傾向を数値で整理すると、計算特化戦略の有効性が見えてきます。
- 電力・管理の計算問題は近年増加傾向(平成24〜28年度平均3.6問/6問)。計算3問で8割取れれば合格点に届く
- 機械・制御は実質9割が計算問題(4問中3.5問)。論述の比重は極めて低い
- 過去問の類似問題が頻出。解法を暗記レベルまで仕上げることが最も効率的な対策
次回(合格体験記・完結編)は、実際に使用した参考書5冊の選び方と使い方を紹介します。
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