過渡現象をラプラス変換で解くのは電験1種レベルだった件について

過渡現象をラプラス変換で解くのは電験1種レベルだった件について

皆さまお疲れさまです。

そして、新年あけましておめでとうございます。

年末年始もそうでしたが、最近は、時間を見つけて電気系専門誌を読むようにしています。その中で個人的にはとても気になる記事を見つけました。

OHMの11月号に過渡現象をラプラス変換で解く記事が書かれていました。11月号(11/10発売)ということで、原稿を仕込むときも考えると、時期的には私のラプラス変換本と同じくらいに原稿を書いていたということになります。

もとからある考え方ですので、真似されたという感情は全く無いです。

OHMの方はどんな内容だったのか

どんな資格試験の専門誌?

そもそもOHMが取り扱っている試験とは何でしょうか。OHMが対象としている資格は

  • 電験1種
  • 技術士一次・二次試験(電気電子・総合技術監理)

です。

そうなんです、技術士は対象でありつつも、同じくらいのレベルの電験2種は対象ではありません。

技術士の一次試験は電験3種レベルであれば余裕で合格できますし、電気電子部門の方の二次試験でも電験2種レベルと言われています。
後者を伝聞系にしているのは、私は一次試験までしかパスしていないからです。

技術士の二次試験は一次試験と違い記述式となりますが、計算問題は無く論説問題のみとなります。

ということで、技術士試験はラプラス変換が出てくる試験ではありません。

消去法的に話を勧めてきましたが、OHMに掲載されていたラプラス変換で解く過渡現象は電験1種向けです。

気になる記事の内容は…

ラプラス変換の定義式からきちんと説明されていました。

定義式
\begin{align}\mathcal{ L }[f(t)]=\displaystyle \int_{0}^{ \infty }\mathrm{e}^{-st} f(t) \mathrm{d}t\\ \end{align}
です。

また、電験2種の試験問題では、殆どの回路が$\boldsymbol{RL}$回路・$\boldsymbol{RC}$回路となります。が、OHMの方は$\boldsymbol{LC}$回路・$\boldsymbol{RLC}$回路まで対象を広げています。

しかも、直流の過渡現象だけではなく、交流の過渡現象まで説明していました。

交流となると電源の方も時間変数となってきますので、微分方程式で解こうとすると、私であればどう解けば良いのか一度調べる必要が出てきます。。。
ラプラス変換で解くのであれば、計算がかなり面倒になりますが、解法の基礎的なところは直流と変わらないので何とかトレースはできそうです。

それらの回路について延々と式変形をしつつ、丁寧に説明しました。式を引用する際の番号がなんと100番代まであって、筆者の方の熱意を感じました。

特に$\boldsymbol{RLC}$交流回路の式変形は、電験2種二次試験の自動制御におけるラプラス変換の式変形に似ているものの、センスが無いとこの方向に式変形をしていけないだろうなというものの組合せばかりでした。

電験1種二次試験の計算問題が簡単に思えるほどの難解さを極めます。

ということで、数学力に自信のある方は是非読んでみてください。

電験1種に過去問として登場??

OHMの記事の前半はラプラス変換の導入でした。

導入と言いながら体力をごっそり持っていかれますが。。。

後半は過去問の紹介と、その解説でした。

……過去問??しかも1種??

記事を読む限り、どうやら平成20年度、平成21年度は電験1種の過去問として登場しているようです。

これまで、電験1種にラプラス変換の過渡現象が取り扱われているという認識はありませんでした。私が受験したのは平成28年度で、そのときは過去問を3年ほど解いていたはずなので、たまたま直近は出題されていないということなのかと。。。

そこで、気になって直近10年間の過去問を見てました。

んー、5/10回も登場するほどの頻出単元だったのですね。

しかも平成20年度は$\boldsymbol{RLC}$直流回路が出題されていますので、2階微分方程式に相当します。

平成28年度に受験したときは、平成25,26年度の問題も解いていたはずなので、記憶に残っていないのは何とも微妙な話です。2種一次試験の段階で、ラプラス変換で過渡現象を解ける状態にしていたから特に記憶に残らなかったのでしょうか?

ということで、電験2種 過渡現象をラプラス変換で解く24年間で培ったスキルは電験1種でこそ真価を発揮するようです!

1種に挑戦中の方や、1種を見越して2種を学習している方は是非本書をご購入下さい!

電験1種での出題レベルは?

過去問のリンクを貼っただけというのも味気ないので、それらの過去問を概観してみようと思います。

過去問の回路素子の構成を見ると、電験2種とあまり差はありません。が、電源条件が特殊なものとなっていて、平行移動のラプラス変換公式を使うようになってきたりしていますね。

  • $\mathcal{ L }[f(t-\alpha)]=F(s)\mathrm{e}^{-\alpha s}$
  • $\mathcal{ L }[f(t)\mathrm{e}^{\beta t}]=F(s-\beta)$

の公式のことです。

ただし、問題文にこの公式が登場してきますので、そこまで手こずることはないかと思います。電験2種の段階でラプラス変換の過渡現象に慣れていれば、手こずることは更になくなるのではないでしょうか。

まとめ

ラプラス変換で過渡現象を解くというのは、電験2種であれば正攻法ではないのかもしれませんが、1種であれば逆に正攻法になるようです。

なお流石に、今はもう2018年11月号が書店に並んでいるとは思いませんが、ネットであれば発売月が過ぎてもまだ購入することができます。

気になった方は購入してみてください。

それでは次回!

コメント

  1. ペガサス翔 より:

    ケンタさま

    初コメント失礼致します。
    いつも楽しくブログ拝見しています。
    書籍の出版、新電気への連載と、ケンタさまのご活躍に、勇気を貰っています。
    私は、電験2種の取得を目指しており、2017年に理論と機械、2018年に法規に科目合格しました。
    今年こそは何としても、一次試験の電力に合格し、二次試験も合格したいと意気込んでいます。
    ケンタさまは電験2種に合格された際、並々ならぬ努力をされていたようですが、どのようにモチベーションを維持されたのでしょうか。
    また、勉強はご自宅でされていたのでしょうか。
    お忙しいこととは思いますが、お答え頂けると幸いです。

    • ケンタ より:

      >ペガサス翔さん
      ご丁寧にありがとうございます!

      今後もう少し校正していきますが、過去記事で回答になるかもしれないことを書いています。

      電験を始めとする、資格勉強は大変孤独な闘いです。特に理解が難しい勉強をしているときほど、モチベーションが下がるときはありません。今回は私が行っていたモチベーションを『下げない』方法です。挙げるのではなく下げないというのがポイントです。
      ポイントとしては、余計な情報はシャットアウトするというところでしょうか。知らなければ気が逸れることがないです。

      基本的な勉強パターンは、
       平日→自宅
       休日→図書館
      です。自宅は誘惑が多いので、あまりオススメできません。

      • ペガサス翔 より:

        ケンタさま
        ご回答ありがとうございます!
        過去記事のお話、とても参考になりました。
        確かに、余計な情報を入れなければ、勉強以外のことに興味が湧くことは無いですね!
        私は自宅で勉強しているのですが、誘惑に負けてしまい、勉強が持続しないことが多いです。
        休日は、図書館で勉強してみようと思います!