皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
試験を受験された方はお疲れ様でした。
さて、本日のテーマは「過渡現象」です。試験後に書く内容ではないかもしれませんがお付き合いください笑
パワエレ編に引き続き、これまた数回に渡るであろうテーマの初回は「感覚で解く過渡現象」です。
過渡現象って、真面目にやると微分方程式を解く必要があって、方程式を解こうにも変数分離法や特性方程式など、何パターンかの解法を全て覚えておかないといけないんですよね。
それとは別に幾つかの積分公式も覚えないといけませんし、正攻法で解くと試験時間が足りなくなることがよくあるのではないでしょうか。
実は、過渡現象って簡単な回路図であれば、何となくで
今回のゴール
今回お伝えする方法をマスターすると、

という図を見たら、

というグラフを自分でかいた後に、余白に少し数文字書くと
をいきなり書き出す事ができるようになります。本当です笑
ということで、騙されたと思って読み進めてみて下さい。
直列回路

上図について電流の過渡式を作る方法について説明していきます。
STEP1.グラフをかく
先ず、グラフの概形を決めます。
スイッチを入れた直後の
つまり、以下の図のような挙動となります。

STEP2.時定数部分を求める
こんな単純な回路の時定数を求める、と書いていることから分かるように、私は
今回は直流電源ですが、交流のインピーダンス
この無次元の比に、これまた無次元の
つまり、
STEP3.グラフから立式する
STEP1でかいたグラフを表す式を立てていきます。
立式の起点は

の形です。
過渡現象における指数関数の底は必ず
の公式を使うからです。
感覚的な理由としては、指数関数的な挙動をする自然現象は自然対数の底
ということで、

ここまで来たら、
つまり、
となります。
STEP4. を求める
ではグラフの形は合っていますが、
STEP1の図では
つまり、頭に
を作ります。
なお、
としてしまうと、
おまけ: 直列回路

STEP1.グラフをかく
説明を省きますが、以下のような形となります。

STEP2.時定数部分を求める
この比に、
つまり、
STEP3.グラフから立式する
グラフの形から
を作れるので、
となります。
STEP4. を求める
となります。つまり、頭に
となります。
注意!!
今回説明した方法は単純な回路にしか通用しません。

なり、

では、電流の過渡式はおろかグラフの概形図もかけません。
これらの回路の電流挙動を調べる場合は、微分方程式なりラプラス変換なりを使用する必要があります。
なぜ、ここで機械・制御に出てくる「ラプラス変換」が登場してきたかは次回のお楽しみということで…
まとめ
今回の方法は
- 特性方程式や積分公式をど忘れしたときや
- 時間短縮したいとき
などに使うと便利な方法です。
過渡現象にはこれ以外にも、ショートカットできる方法がもう1つあります。
(私が知っているのがもう1つというだけで、他に沢山方法があるかもしれません。)
それでは次回!

こんにちは。
先週末2種を初受験しました。まさかの電力だけ落としてしまいました。48点(53.33%)...
電力は自信があり、おごりもあったようで、「これだけ」にはほとんど目を通さず過去問だけ回してたのがひびいたようです。「理論は落としてもしょうがないか..」という心の準備とは裏腹に、落としたのは電力...
「まぁ、どの道 二次試験の勉強が落ち着いてできると考えよう...」と居直ってます (爆
理解がうざうざな数学から土台の理論も含め、きちんと基礎を固めようと考えながらネットをさまよっていて、ここにたどり着きました。
これから記事を読ませていただきます。
ご挨拶まで。
>梅三郎さん
コメントありがとうございます!
電力惜しかったですね。。
私が初めて2種を受けた年は法規を落としてしまったので、次の1年間は二次試験との重複が無い勉強が面倒でした笑
機械よりも電力の方が重複箇所が多いので、梅三郎さんはベストなリーチを掛けられたのではないでしょうか。
当ブログは参考書で説明しないようなところをクローズアップして、我流の説明をしています。記事要望も受けていたりします。
今後ともよろしくお願いします。
はじめまして。
私も先日の2種一次試験を受験、機械を落とし来年は法規が復活です。
もう6年が過ぎて小学校を卒業した感じです。(50歳手前の77KV施設管理者です。)
来年の2次を目指し計画を立て直す段階ですが、過去問からの出題頻度の解析
術を教えて欲しいです。あと、勉強の方法やノートの取り方など、、、
今回の過渡現象はとても理解しやすかったです。今後とも楽しみに拝見させて
頂きます。
>暴れん坊将軍さん
コメントありがとうござます!
科目が復活してくるとモチベーションの維持が大変になってきますよね。
さて、出題頻度の解析についてですが、機械・制御に関しては過去記事でやっております。
https://den1-tanaoroshi.com/questions-expected-in-den2-2nd2
ここでは出題分野の予想までですので、その分野の中では何年の過去問の類題が出ると予想することまではしておりません。(そこまでの予想は不可能かと感じております。)
電力・管理に関しては論説も入ってくるので、予想しにくいと感じているところで、記事にしない予定です。
電験2種ならば、新制度(平成7年度)以降の過去問を簡単に入手できます(電験二種完全攻略と試験センターの過去問を合わせるだけです)ので、その中から予想するしかないかと思います。
とは言うものの、出題予想をするよりかは、頻出となる解法から潰していくのが効果的だと個人的には感じています。
今後とも当ブログをよろしくお願いします!
勉強の方法やノートの取り方については、長くなりそうでしたので記事にしてみようかと思います。
ケンタさま
コメントありがとうございます。
今後ともいろいろな情報や解法を楽しみにしております。
何よりも「継続」が大事ですから、毎日更新を目標でなく
、更新出来たらええなぁ~の気持ちで。
年を重ねると記憶力の低下がしみじみ感じております。
ケンタさんはじめまして!電験三種を合格して電験二種を目指すためにケンタさんのブログをすごく参考にしてます。
ところで『感覚で解く過渡現象 』でSTEP4.t=0を求める。 I=REと記載されてますが I=E/Rの誤植ではないでしょうか。もし間違えていたらごめんなさい。
>スカイビューさん
コメントありがとうございます!
参考になるところがあり恐縮です!
さて、「誤植か?」のところですが、確かに誤植でした笑
謹んで訂正させていただきます。
ありがとうございました。