皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
専門用語ばかりのタイトルになってしまい、何についての記事を私が書こうとしているのか読者の皆さまを混乱させてしまったかと思います笑
今回書こうとしているお話は、皮相電力を複素数で表す方法、つまり複素電力
という式のどちらかを問題文に合わせて感覚的に立てる方法についてです。
今回紹介する内容は、勉強していた時に手持ちの参考書に詳しく載っていなかったため、苦肉の策で独自に編み出した導出方法です。が、電験1種まで矛盾なく使えていましたので、そこそこ信憑性はあると思います笑
- 進相条件、遅相条件に合わせて式を1から作れる
- 2式のどちらの無効電力が進相を正として、どちらが遅相を正としているのか直感的に分かる
なお、今回の説明には
- ベクトル図
- フェーザ表示
を肌感覚で使えていることが前提にあります。前提と言っても、ある程度補足を入れながら説明していきますので、取り敢えず読み進めていって問題はありません。
パターン1:進相条件

上図のように電圧
このようなときは
ということで、位相差
続けると
となります。
つまり、
となります。
ここで、図に戻ってみます。この図は進相条件ですので、上式でいう無効電力
複素計算をした結果、虚部が負となった場合は、遅相無効電力が発生していることになります。つまり、そもそもは遅相条件だったということです。
パターン2:遅相条件

次は、上図のような遅相条件にあるときです。
つまり、
となります。
ここで、図に戻ってみます。この図は遅相条件ですので、上式でいう無効電力
複素計算をした結果、虚部が負となった場合は進相無効電力が発生していることになります。つまり、そもそもは進相条件だったということです。
例題で実際に解いてみましょう

と与えられていたとき、
となりますので、有効電力は
念のため、もう一方の式で計算してみても
となり、やはり同じ結果になります。
無駄なテクニック:進相・遅相条件のみの判断
実は進相か遅相かの判断だけであれば、図からの導出→複素計算という手順を踏まずにできます。
電圧の実部に合わせるように電流の実部を実数倍してみると、
となります。
この虚部は電圧の虚部より小さいため、電流は電圧のベクトルより下側に来ていることが分かります。つまり、今回は遅相条件ということが分かります。
電験2種以降ではどのように出題されるのか
実は、電験2種以降では
エネルギー管理士では、平成27年度課目Ⅱの問題4(1)に出題されていましたが、このような計算は電験2種以降では稀です。
電験2種以降でよくある出題としては、文字または数字で与えられている
ケース1
進相条件、つまり
大抵の場合、
となり、共役しても値が変わりません。つまり、
で、

↑のようなベクトル関係になります。
ケース2
遅相条件、つまり
となります。厳密に説明すると、最後の行では分子だけでなく分母の
で計算してしまいます。この式に遅相無効電力を代入したい場合は正値として
まとめ:結局どちらの公式を使えば良いのか
進相条件だから…とか、遅相条件だから…とか延々と書いてきましたが、結局のところは負値を使えば最終的に対応できるので、好きな方を使って問題ないです。
個人的な好みとしては、送電問題では電流が遅れることが多いので、遅相条件の式をよく使っていました。でも、本当にどちらでも構わないです。気を付けておいてほしいのは、ど忘れしたときのために今回の導出をできるようにおくことだけです。
もちろん、暗記してしまう方が楽だと感じた方はソチラの方で良いでしょうが、電験2種とかになってくると暗記のメモリは論述問題に取っておいた方が良いのかなと思っています。
それでは次回!
こんにちは
いつもピンポイントで目からウロコのコンテンツ提供を
ありがとうございます。
最近知ったのですが、youtubeで、「慶應大学講義 物理情報数学C 第一回 信号とシステム」を見て、高卒の私が絶対に見聞きすることのできなかった情報に簡単に無料でふれることができる事に驚いています。ケンタさんを始めとして、こういった情報提供して下さる方には本当に感謝します。
ささやかなお礼ですが、https://www.youtube.com/watch?v=ABT1tyR1ZQI をどうぞ。
>カモカモさん
いつもコメントありがとうございます!
差別化できるような記事ネタを日々考えていますので、そう言っていただけると嬉しいです!
ところでリンクは筋トレ動画でしたが、痩せろってことですか?笑