雑記

電験三種のマークシート記入ルール|採点されない2つのケースと、正解番号1,200問の偏り

電験三種 公式解答15回1200か所の正解番号の出現率。1が13.3%で最少

皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。

この記事はもともと、2017年に「どの番号をマークすると当たりやすいのか」を調べた雑記でした。当時は過去5年分の解答を円グラフにして、はっきりした傾向は出ませんでした、で終わっています。

いま試験センターのサイトには、平成28年度から令和8年度上期までの解答が15回分そろっています。これを全部数え直しました。あわせて、マークシートそのものの記入ルールも一次資料で確認しています。

結論を先に書きます。正解番号には偏りがあって、「1」だけが明らかに少ない。ただし、それで合否が動くことはありません。

当日に効いてくるのは番号選びより、マークの仕方を間違えて採点されなくなる条件のほうです。こちらは公式に明記されています。

📌 この記事でわかること

  • 電験三種のマークシートの記入ルール(筆記用具・訂正・記入する欄)
  • マークしても採点されない2つのケース
  • CBT方式を選んだときにマークシートの話がどう変わるか
  • 公式解答15回分1,200か所を数えた、正解番号(1)〜(5)の出現率
  • その偏りで点数が伸びるのか(伸びない理由)

マークシートの記入ルールは問題冊子の2ページ目にある

記入のきまりは、試験当日に配られる問題冊子の2ページ目に「答案用紙記入上の注意事項等」としてまとまっています。同じ内容が理論・電力・機械・法規の4科目すべての冊子に載っています。

問題冊子は試験開始の合図まで開けませんが、過去回のものは試験センターのサイトで公開されています。次の図は令和8年度上期(2026年8月30日実施)の「理論」から抜き出したものです。

令和8年度上期 第三種 理論の問題冊子より、HBの鉛筆・二つ以上マークは採点されない・選択問題を両方解答すると採点されない の3か所

出典:令和8年度上期 第三種電気主任技術者試験「理論」問題冊子(一般財団法人 電気技術者試験センター)。赤枠は筆者による加筆です。

筆記用具はHBの鉛筆か、HBの芯のシャープペンシル

マークシートは機械で読み取ります。そのため「濃度HBの鉛筆又はHBの芯を用いたシャープペンシルで濃く塗りつぶしてください」と指定されています。

色鉛筆やボールペンでは読み取れないことも明記されています。訂正はプラスチック消しゴムできれいに消し、消しくずを残さないよう求められています。

芯の太さについては書かれていません。細い芯を使いたい方は、0.3mmシャーペンは試験で使える?で受験案内の筆記用具の条件を整理していますので、あわせてご覧ください。

マークしても採点されない2つのケース

注意事項のなかで、点数に直接ひびくのがここです。

この2つに当てはまると採点されない

  1. 1つの問題に二つ以上マークした場合
  2. 選択問題(問17と問18)を両方解答した場合

どちらも「採点されません」と書かれています。減点ではなく、その問題が0点になるということです。

迷った末に2つ塗って部分点を期待する、という選択肢はありません。最後は必ず1つに決めて、残りは消すのが前提になります。

選択問題があるのは理論と機械だけで、どちらも問17と問18のどちらか1問を選びます。電力と法規の冊子にはこの項目がなく、B問題は3題とも解答します。

自分で書くのは氏名と生年月日だけ

マークシートにはカナ氏名・受験番号・試験地があらかじめ印字されています。受験票と照合したうえで、氏名と生年月日を記入します。

余白と裏面には何も書かないこと、折り曲げたり汚したりしないことも指示されています。メモを取りたいときは問題冊子の白紙部分を使えます。こちらは「白紙部分はメモ用紙として使用できます」と冊子に書かれています。

ケンタ
ケンタ
注意事項は毎回ほぼ同じ文面です。当日に初めて読むと落ち着いて確認する時間が惜しくなりますので、過去回のPDFで先に目を通しておくと楽になります。

CBT方式を選ぶとマークシートは使わない

電験三種はCBT方式でも受験できます。試験センターは「第三種電気主任技術者試験は、CBT方式又は筆記方式で受験できます。お申込み時に受験方式(CBT/筆記)を選択してください」と案内しています(CBT方式のご案内)。

CBT方式は試験会場のパソコンで出題・解答する方式です。ここまでの鉛筆や消しゴムの話は筆記方式のときのもので、CBTを選んだ場合は当てはまりません。

出題の形は変わりません。解答方式は筆記方式と同じ五肢択一で、合格基準も各科目原則60点です。

科目 解答数 試験時間
理論 A問題14題・B問題3題(選択問題を含む) 90分
電力 A問題14題・B問題3題 90分
機械 A問題14題・B問題3題(選択問題を含む) 90分
法規 A問題10題・B問題3題 65分

公式サイトには4科目それぞれの体験版が用意されています。画面の操作で迷いたくない方は、申し込む前に触っておくと判断しやすくなります。

実際にCBTで受けたときの紙との違いは、電験3種CBT経験者が語るパソコン受験の注意点にまとめてあります。電卓の操作や問題文のスクロールなど、練習しておくと差が出る部分があります。

本題:正解番号に偏りはあるのか

ここからが元の記事のテーマです。試験センターが公表している解答をすべて数えました。

数え方

使ったのは公式の解答15回分です。平成28年度から令和8年度上期まで、公開されているものを全部使いました。

1回あたりに公表される解答は理論22・電力20・機械22・法規16で、合わせて80か所です。15回分で1,200か所になります。

  • 選択問題(理論と機械の問17・問18)は両方とも数えた。受験者は片方しか答えませんが、出題側が用意した正解として扱いました
  • 配点による重み付けはしていない。A問題もB問題も1か所を1件として数えています
  • 抽出はPDFの座標から機械的に行い、15回とも80か所ちょうどになることを確認しました

結果:「1」が明らかに少ない

1,200か所の内訳です。偏りがなければどの番号も240件になります。

選択肢 出現数 割合 240件との差
(1) 160件 13.3% −80件
(2) 274件 22.8% +34件
(3) 288件 24.0% +48件
(4) 273件 22.8% +33件
(5) 205件 17.1% −35件

最多の(3)と最少の(1)では128件の差が付きました。2017年の記事では「見事に分散している」と書きましたが、回数を増やすと違う形が出てきます。

偶然でこれだけ散らばる確率も計算しました。カイ二乗検定にかけると、偏りがないとしたらこれほどのばらつきが出るのはおよそ40億回に1回という結果になります。誤差では説明が付きません。

念のため、別の見方でも確かめました。「1」の件数は1回あたり16件が期待値ですが、15回すべてで16件を下回っています。偏りがなければ15回連続でそうなる確率は13万回に1回ほどです。

選択問題やB問題を除いてA問題だけ(780か所)で数え直しても、(1)は15.4%で最少のままでした。数え方を変えても傾向は残ります。

科目別に見ると

科目 件数 (1) (2) (3) (4) (5)
理論 330 13.6% 25.2% 21.2% 20.9% 19.1%
電力 300 13.0% 20.0% 26.0% 23.7% 17.3%
機械 330 12.1% 25.5% 25.5% 21.8% 15.2%
法規 240 15.0% 19.6% 23.3% 25.4% 16.7%

4科目とも(1)が最少という点は共通しています。一方で偏りの強さには差があり、いちばんはっきり出るのが機械、いちばん弱いのが法規です。法規だけは統計的に偏りがあると言い切れる水準に届きません。

全体を通すと、両端の(1)と(5)が低くて中央の(2)(3)(4)が高い形になっています。理由は分かりません。試験センターは選択肢の作り方を公表していないためです。

「数値の選択肢が小さい順に並んでいるから、正解が端に来にくいのではないか」とも考えましたが、これは違いました。令和8年度上期の理論を見ると、単一の数値を選ばせる9問はどれも小さい順になっていません。問4は(1) 3.52、(2) 1.76、(3) 7.04、(4) 5.28、(5) 10.6 という並びです。

偏りはあるが、合否は動かない

ここまでの数字を見ると「では(3)を選べばいいのか」と思えてきます。実際にどれだけ得をするのか計算しました。

最後まで絞れなかった問題が3問あったとします。理論であれば1問5点です。

3問の埋め方 期待できる正解数 得点
でたらめに選ぶ 0.60問 3.0点
すべて(3)にする 0.72問 3.6点
すべて(1)にする 0.40問 2.0点

(3)に固定してもでたらめより0.6点しか増えません。番号選びで拾えるのは1問の半分にも届かないという結論になります。

いちばん差が付くのは、最良の(3)と最悪の(1)を比べた1.6点です。それでも1問ぶんには足りません。

仮に20か所すべてを勘で埋めた場合も見ておきます。60点に届く確率は、でたらめなら約0.010%、すべて(3)にしても約0.063%です。6倍に増えても1,600回に1回ですから、勘だけで合格を狙う話にはなりません。

この計算の詳しい中身はマークシートを勘で埋めたら合格できる?に書きました。自力で何点まで来ていると勘が効いてくるのか、という話もそちらで扱っています。

ケンタ
ケンタ
偏りは本物でしたが、使い道は「迷ったときに(1)は選ばない」くらいです。試験中にこれを考える時間があるなら、見直しに回したほうが確実に点になります。

絞れないときに効くのは、番号より単位

番号の出方に頼れないとなると、最後の1問はどう決めるかという話になります。根拠を持って選択肢を減らせる場面は実際にあります。

ひとつは単位です。文字式を答えさせる問題では、答えの単位に合わない選択肢は計算するまでもなく消せます。手順と実際の出題での例は、先ほどの記事にまとめてあります。

もうひとつは、自分の計算結果と選択肢の形を突き合わせる方法です。こちらは計算結果と選択肢の文字式を一致させる簡単な方法で扱っています。

そして、勘で埋める問題そのものを減らすのがいちばん効きます。解ける問題を取りこぼさない段取りは【電験3種版】試験時間内で素早く効率的に解く方法にまとめました。

演習量を積むほうは過去問徹底解説をどうぞ。年度順と分野順のどちらからでも進められます。

まとめ

  • 筆記用具は濃度HBの鉛筆かHBの芯のシャープペンシル。色鉛筆・ボールペンは不可、訂正はプラスチック消しゴム
  • 二つ以上マークした場合と、選択問題(理論・機械の問17と問18)を両方解答した場合は採点されない
  • マークシートに自分で書くのは氏名と生年月日だけ。余白・裏面への記入と折り曲げは禁止、メモは問題冊子の白紙部分へ
  • CBT方式を選ぶとマークシートは使わない。五肢択一と合格基準60点は筆記方式と同じ
  • 公式解答15回分1,200か所では(1)が13.3%で最少、(3)が24.0%で最多。偶然では説明が付かない差
  • ただし3問を(3)に固定しても、でたらめに選ぶより0.6点しか増えない

9年ぶりに数え直して、当時の「偏りはない」という結論は半分外れていました。偏りはあります。

それでも受験者にとっての使い道は、ほとんどありません。番号の出方に賭けるより、採点されない条件を踏まないことのほうが、当日の点数をよほど大きく左右します。

引き続き当ブログをよろしくお願いいたします。それでは次回!

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POSTED COMMENT

  1. やまさき より:

    ケンタさんこんばんは!
    難しいまじめな記事が続いていましたので、アカデミックな清涼剤的記事、ありがとうございます(^ ^)
    どんなオチが待っているのかドキドキでしたがまさかの展開おもしろかったです。
    ケンタさんにしか書けない記事ですね。
    またこのような記事楽しみに(?)しています!

    • ケンタ より:

      >やまさきさん
      コメントありがとうございます!

      今後はもう少しまともな記事を書きます笑

  2. コンボイ より:

    理論28年15の解説ありがとうございました!頑張ります
    あちらでなぜがコメントできずこちらにしました

    • ケンタ より:

      >コンボイさん
      コメントありがとうございます!

      コメント禁止制限をしていなかったのですが? おかしいですね。
      なにはともあれ読んでいただけたようでなりよりです!

  3. hiro より:

    こんばんは~
    このネタ、前に別のとこで見たことがありますね・・・
    そこで見た情報だと計算問題と非計算問題に関しては正解の選択肢の位置の存在確率が偏っていたというものでした。ただし理論に限ってはその傾向が見られないって感じでしたね。計算問題では正解を端に配置すると選択肢の作成が窮屈になるとかいう理由づけがされてましたね。

    まぁこれはアレですが・・・受験者間隔の取り方がセンター試験等に比べて甘いため意図してなくても近くのマークシートが見えてしまうことがあるんですよね^^;(前後で1列あけてないことが多い)
    合格率が低い試験なので正答率は低いですが、それでもランダムよりは確率が高い(大体40%ぐらいか)

    • ケンタ より:

      >hiroさん
      コメントありがとうございます!

      この記事を書いてから私も検索したのですが、細かな分析をしているところもあるのを知りました汗
      でも私が言いたかったのは『この科目だったらこの数字』というシンプルなレベルだったので、不発に終わった次第です。
      数値問題 or notとかA問題 or notとかの要素を入れて、試験開始直前に読者さんを混乱させても本末転倒と感じたので笑

      • hiro より:

        しょーもないですが あえてツッコミをいれると

        1~5までの乱数を100個生成する。1~5までの数字の個数をその都度記録する
        これを5回繰り返す。エクセルでINT(RAND()*5+1)をcountifで数えれば・・・
        実行結果(26,18,21,21,14)(15,22,22,18,23)(17,25,25,17,16)(15,25,23,21,16)(24,16,18,23,19)
        回数を多くすると11~35ぐらいまでは出てくることがありました。

        またこの推論は6年前~2年前で検証し、1年前のデータで確認するみたいな感じでやるのが妥当と思われます。実質は1年前~5年前でデータ集計しているのでこれを6年前のデータで確認しても同様の試行ができると考えられる。

        って感じですね。

        • ケンタ より:

          >hiroさん
          何度か読み返してやっと理解しました笑

          そういうアプローチもなるほどなと思いつつ、結局は統計学未満の数遊びの域を出ないので、受験者がこういったことを真面目に考えるなら公式の確認に時間を使った方が生産的かと思います。

          hiroさんや私みたいな電験が終わった人の贅沢な時間の使い方かなと笑
          (しょーもないと言っているのでお分かりなんでしょうが)

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