電気管理技術者のお金関係シミュレーション

電気管理技術者のお金関係シミュレーション

皆さまお疲れ様です。

今回も電気管理技術者について考察してみました!

最近当ブログに電気管理技術者というキーワードが頻繁に登場していますが、興味はあるものの少なくとも今は特に転職を考えているわけではないですからね笑

今回は電気管理技術者のお金周りについての考察です。

なお、これまでの電気管理技術者に関する記事はコチラです。

様々な業界で電気主任技術者としてカッコよく活躍する方はたくさんいます。今回はそういった方々を紹介しているページを見つけましたのでご紹介します。
電験の試験合格者を考える上で、キーワードである再エネ設備と電気管理技術者については考察してみました。

あと、次回以降にもう1つ別のテーマで記事を書く予定です。

 自営業 vs 会社員

一般的に自営業は会社員と違って、

  • 厚生年金の会社負担分
  • (会社が積立てる方の)退職金
  • 給与所得控除

が無いために自分でその分を補おうとすると、同じ年収1,000万円でも実質的な手取りは自営業の方が低いと言われています。数値を用いた具体的なシミュレーションは↓のサイトで詳しく取り上げられていますので、その辺りについてはそちらに譲ります。

要点だけを言います。年収1,000万円の自営業と会社員を比べると、自営業が会社員並の退職金&年金を自分で用意する場合は、手取りが200万円くらい安くなります。

(自営業:手取り542万円、会社員:手取り741万円)

また、自営業の年収1,000万円(手取り542万円)は会社員の年収712万円に相当するというのも重要な情報です。大体7掛けで考えておくと良いかもしれません。

自営業のメリット

何と言っても控除の種類の多さです。

LINK個人自営業(個人事業主)の節税対策

会社員に給与所得控除が無条件で認められている代わりに、自営業には小規模ながら幾つかの
控除枠があります。これを行うことで、毎年の税金納付額を抑えて年金を増やすことができます。これ以外に似たようなものでiDeCoもありますが、iDeCoは会社員でも利用できる制度です。

その他、合理的な範囲内で様々なものを経費として計上できますので、その分売上を圧縮して課税対象額を抑えることができます。

自営業のデメリット

自分で顧客を呼び込まなければならないプレッシャーと、顧客数を維持しないと来年の売上さえ怪しいところでしょうか。この辺りはなんとも想像し難いところです。

あとは、先程も述べましたが、7掛けしてやっと会社員の年収と同じくらいということでしょうか。年収1,000万円を稼ぐ会社員と同じ生活水準には、自営業だと年収1,400万円が必要という計算です。

欠けている観点

ここまでの内容はフリーランスの魅力を紹介する記事でよく目にします。

個人で電気管理技術者をされている方の実情を知りませんのでなんとも申し上げられないのですが、ここまでの論調で欠けている観点がいくつかあります。

以下は、

  • 自営業→個人の電気管理技術者
  • 会社員→選任されている会社員の電気主任技術者

として話を進めていきます。

観点1.手取り542万円の到達難易度

  • 会社員が年収712万円を稼ぐ
  • 個人の電気管理技術者の年収1,000万円を稼ぐ

到達難易度の違いは間違いなくあるはずです。お互いが同時にそこに到達する場合は確かに上述の通りですが、到達難易度の違いで到達するまでの時期のずれや、年収が年数に比例して到達するのか・指数関数的に到達するのかなどで、60歳までの総額が変わってきます。

観点2.60歳以降の差

会社員はリタイア後に年収ががくんと下がる(もしくは無くなる)ので、それによる生涯賃金の差も本来は考えるべきだと思います。一方で60歳以降の電気管理技術者業務を考えたとき、75歳が1つのリタイアラインとしてあるようです。

観点3.被扶養者への経済的負担

会社員の配偶者が扶養範囲内だと、自己負担無しで第3号被保険者に入れることができます。

第3号被保険者:国民年金分の受取りができます。(国民年金を1階分、厚生年金を2階分という言い方をします。)上述の手取りの差にはこの要素が入っていないようです。

他にも大会社ですと被扶養者も会社の安い健康保険組合に入ることができますので、その分世帯全体の負担も変わってきます。

観点4.仕事の頻度

会社員は、毎日通勤した上に一定時間拘束されます。一方で、個人の電気管理技術者は管理技術者協会のセミナー以外は基本的に客先の巡回であり、1日にできるだけまとめて回ったりすれば、そもそもの稼働日数を減らすことができます。

日々の営業活動は除きます。

このように、両者を比較する場合は時間あたりの手取りで比較する必要があります。が、これについては具体性のある比較ができにくいかと思います。

観点5.ストレス具合

ストレスも金額に反映しづらいです。電気管理技術者協会との接点や顧客獲得以外は、個人の電気管理技術者の仕事環境は完全に自己裁量ですので、ストレスが少ない環境にあるのかもしれません。

以上の5点を考慮してシミュレーションをしようとすると、仮説尽くしの内容となってしまいますので、説得力が皆無となり最早書く意味がありません。ですので、今回は個人で電気管理技術者をやるという選択肢を取った際に、その収入を加速させる可能性のある方法を調べてみました。が、結果から言うと、そのような方法は取ることができないと判明しましたので、初めにここで書いておきます。

『電気事業法施行規則』とか『主任技術者制度の解釈及び運用(いわゆる内規)』に触れるので、雑学として読んでいただけると面白いかもしれません。

「電気管理事務所」という形態

個人、節税、フリーランス、、、、と単語が来ると、次によく目にする単語は『法人化』です。

個人の電気管理技術者の方は、屋号を「○○電気管理事務所」として開業届を出していることが多いと思います。ここで開業届とは自営業を始める際の届け出であり、法人でなく個人として事業を始めるという意味です。

「電気管理事務所」に法人格を持たせて、より節税などのメリットの大きい形態にしたらどうか?というのが、私の純粋な疑問でした。が、調べたところこの『法人化』が不可能でした。それを書いていきます。

法人化のメリット

電気管理事務所を法人化して自身はその法人の役員となることで、役員報酬を得ることができます。法人にとっては役員報酬は費用であるため、その分売上を圧縮して法人税等の額を抑えることができます。さらに個人視点では、役員報酬を貰うときに所得控除を使えるため、その分更に支払う税金(所得税や住民税)が安くなります。

2018年度から所得控除の見直しがありましたが、大まかなスキームに変化はありません。

この他にも、

  • 社会保険料の半分を法人負担とすることで、費用計上しつつ自身の年金受取額を増やせたり、配偶者を自己負担無しで第3号被保険者に入れられたり
  • 生命保険を契約することで、足元の売上を圧縮して将来の退職金に備えたり
  • 日帰り出張として月次点検のたびに日当を非課税でもらえたり

できます。業種にもよりますが、法人化の目安は年収1,000万円と言われています。

法人化のメリットはネットで検索するとゴマンと出てきます。詳しく知りたい方は検索してみて下さい。

電気管理事務所の法人化は可能か?

持ち上げて落とすようなことをして申し訳ないです。電気管理事務所を法人化させることはほぼ不可能です。『ほぼ』と書いたのは、自身は法人の経営に専念して、電験3種を持って実務経験のある保安業務担当者を雇い、その人が事業場を担当するようにすれば可能だからです。そうです、これってもはや電気保安法人のことなんですよね。

この場合、法人の経営に専念した自身(=役員)の事業場に関する点数は使用することができないので、自身だけが所属する電気管理事務所を法人化させて、そのメリットを1人で享受することができません。

役員が電気主任技術者免状と実務経験を持っていても、それを法人の点数として使用できない理由

堅苦しい条文をできるだけ噛み砕いて説明していきます。

先ず電気事業法施行規則では、

  • 事業場の保安管理業務に従事する者を保安業務従事者とし、
  • 保安業務従事者であって事業場を担当する者を保安業務担当者

しています。

参考電気事業法施行規則 第52条の2第2号ニ,ハ

次に、内規では

  • 4(2)①で保安業務従事者は役員または従業員

としている一方で、

  • 4(2)③ 保安業務担当者は、保安管理業務以外の職務(電気工作物の保安に関するものを除く。)を兼務しないこと。

としています。

ということで、保安業務担当者は経営に関わることができないため、役員が保安業務担当者になることはできません。つまり、自身が保安業務担当者になる他の要件を満たしていたとしても、その事業所に関する点数を活用することができないのです。

しかし、役員は保安業務従事者になることができ、4(2)④にあるように保安業務担当者の指示に従って事業場の点検は行うことができます。が、4(2)④ロで明確に『名義貸し』を牽制していることに当たり前ですが要注意です。

まとめ

節税目的で自身のみの法人会社を作ることはできません。

自身を作業員として仲間と法人を設立したとしても、N人で最大N-1人分点数内で収入を得ることになるため、自身の点数を活用できない以上は非効率な組織となってしまいます。

そうなると、何故電気保安法人が乱立しているんだろう?ということになりますが、これは恐らく(少なくとも規制緩和当時は)電気保安協会が高コスト体質であって、そこに切り込む余地があったからだと思います。

節税目的の法人化とは全く異なった観点からですね。できなくて残念です。

今回もネットで集めた情報をもとに考察してきました。が、電気管理事務所やそれに精通した税理士さんに聞けば、正確な情報を一発で手に入れられるんですよね。

私にはそういった知り合いがいませんので、このような回りくどい、かつ正確性に欠ける記事となってしまったわけです。

この辺りの情報をお持ちの方はコメント下さい!

それでは次回!