皆さまお疲れさまです。ケンタ(@den1_tanaoroshi)です。
先日エネルギー管理士の過去問再挑戦が終了しましたので、今回からは技術士一次試験の過去問に再挑戦していきます。タイトルにお気づきになったかもしれませんが、前回まではアレなタイトルでしたので、今回からは幾分自重したタイトルとしております汗
今回から「技術士一次試験」という新しいカテゴリを使い始めることもあり、心機一転記事を書いていきます!
技術士とは?
電験を目指している方にとって、技術士という資格は聞いたことあるもののイマイチどんな資格か分からないかと思います。私には、分からないなりにも取ろうかと思って色々計画していた時期がありました。
しかし、下の方で書いているようにビルメンには相当する受験資格が無いので、結局今のままですとどんなに業務経験を積んでも技術士二次試験を受験することができません。。。
ネガティブなことを言っていても仕方がないですね笑 説明を続けます。
技術士は国家資格です。自身が専門とする部門の試験を受けて晴れて合格すると、その部門に関する国家認定のコンサルタント的に業界からは見なされます。
国家資格であるにもかかわらず、それがないと業務を行えない独占資格というわけではなく、コンサルタントという業務をできるに値する純粋な能力認定に近い資格です。珍しいですね。
コンサルタントという職業は何を指して付加価値を出している人なのかちょっと怪しい感じがありますが、そういった国家資格ですので箔付け的な意味合いが強い印象を受けます。
特にその意味が強いのが建設部門です。個人的には、技術士は建設部門の方が他の部門よりも業界内での信用に繋がる気がします。これは技術士を取得することで、
- 監理技術者、つまり建設工事に関する重要な資格を得る講習を受けられるようになることや、
- 入札時の会社の点数評価にプラスとなることが、
建築業界内での信用につながっているのではと推測します。
技術士の取得動機
メンタル面では
しかし、試験難易度の項目で後述しますが、専門知識を持っているだけでなく人にものを伝える力が無いと最後の試験に合格することができませんので、常日頃からそういった力が弱いと感じている私としては、
- この資格に挑戦することで力を養い、
- 突破することできちんと持っていることとを証明をしたい
と思って受験しようと思いました。
要は試験に合格するためには、自分が何をしてきて、それを簡潔にどの人にでも分かりやすく話せるようにならなければならないということです。これまで対人(たいひと)でなく、対自分というクローズドな環境で色々理系チックなことを考えてきた私にとっては、この力を養う機会がなく、社会に出てから苦労してきたことでもあります。
こういう力を持っている人は、相手の知識レベルを即座に判断して、相手の反応を見て補足説明を都度行いながらスムーズに理解してもらうことが自然体でできるんですよね。端から見ていると、説明を補うにも、どのような単語、言い回しが適しているかなど考えるまでもなく口から出てくるみたいな印象を受けます。
資格面では
技術士は独占資格ではありませんので、これだけではメンタル面以外での資格を取得した旨味があまりありません。私が注目したのは、先程さらりと書いた監理技術者へのパスです。
監理技術者にも様々な種類があり、私が欲しいのは電気工事業です。
監理技術者について、ある程度の規模以上の工事を元請として請けた場合に、元請の社員の中から資格者を専任で設置する必要があります。監理技術者は、
- 竣工物がきちんと設計図通りなものであるかのチェックや
- 設計変更が生じた場合の追加工事金額の妥当性チェック
を行います。つまり、発注者の視点に立って、発注した内容に沿ってきちんと下請が自身の担当している部分を完了させたかというチェックをします。
私の場合は電気工事に関する監理技術者の資格があれば、転職して年収が上がるかなと思い、その講習資格を得るために技術士が欲しかったわけです。
技術士一次試験とは?
技術士は、二次試験(筆記&面接)に合格すると晴れて名乗れるようになります。その二次試験を受験するために必要な試験が一次試験(筆記のみ)です。
なお、「一次試験に合格して、◯年以内に二次試験に合格しないと一次試験の受験からやり直さなければならない」ということはありません。電験2種の感覚で言うと、2年間の一次試験合格保留期間のうちに二次試験に合格しなければゼロクリアになってしまうイメージを持ちますが、技術士の場合は違います。技術士一次試験に合格すると、何年経とうがその合格が失効することはなく、要件ごとの2~7年の実務経験を積んでから二次試験を受験→合格して、晴れて技術士となります。
しかも、別の部門の技術士にもなりたい場合は、二次試験からのスタートとなります。複数部門を狙う人にとっては結構オトクな試験です。
一次試験に合格して登録手続きをすると「技術士補」を名乗ることができ、名刺に「技術士補」と書けるようになります。が、補というのを書いている人を見たことがないように(書いている人がいましたらすみません)、技術士補は技術士への挑戦資格があるというだけで、あまり対外的に示すような資格ではない印象です。
と言うのも、先程書いたように技術士とは国が認めたその分野のコンサルタント(専門家)ですので、技術士補を名刺に書くということは「私はコンサルタント未満です。」ということを言っているようなものだからです。
技術士に必要な実務経験は?
二次試験を受けるためには、以下のどれかの実務経験が必要となります。
1〕 技術士補として、技術士の指導の下で、4年を超える実務経験。
※ 技術士補登録後の期間に限る。
2〕 職務上の監督者の指導の下で、4年を超える実務経験。
※ 技術士第一次試験合格後の期間、指定された教育課程修了後の期間に限る。
3〕 指導者や監督者の有無・要件を問わず、7年を超える期間の実務経験。
※ 技術士第一次試験合格以前の実務経験、指定された教育課程修了以前の実務経験も含む。
私の場合は、年数はともかく実務経験が相当しないです。
Q:業務経歴に必要な科学技術に関する業務とはどういう内容ですか。
A:科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務です。単純作業業務やマニュアルに従った業務は含まれません。また、業務経歴の内容は、受験する技術部門や選択科目の内容に限られるといった要件はありません。
専門的な知識を使った、計画、研究、設計、分析、試験、評価もしていないので、実務経験を満たせそうにありません。こういった業務は転職でもしないとできないので、受験ができないのです。。。
スキル・年収アップをできればと思って技術士を取ろうとしましたが、よくよく調べてみるとそもそもの実務経験を詰めるような環境でなかったということです。。実務経験の事前確認を何となくで済ませてしまったのが問題のようですね。
技術士一次試験を合格しても資格手当が出るわけでもなかったので、何かしらの転機が訪れない限り、費やした受験料と(僅かな)時間は塩漬けされることになります。
資格難易度
二次試験を受験する資格は私にはありませんが、分かる範囲で試験毎の簡単な紹介をしていきます。
一次試験
次回以降の記事で詳しく書いていきますが、ざっくり言うと電験3.3種くらいです。つまり、電験3種よりやや優しいくらいです。特に、電験3種の理論が得意だった人は殆ど勉強せずに合格できると思います。
試験内容は以下の3科目で、どれも選択問題です。しかも、なんと合格基準は50%です!
- 基礎科目:幅広い理系の知識・数学力が問われます。
- 適性科目:技術士としての素養が問われます。
- 専門科目:電気を選択すると3種の理論・電力・機械あたりの理解力が問われます。
二次試験と違って一次試験では受験資格は誰にでもありますし、それこそ小学生でも受験できます。試験時期は10月ですので、電験2種二次試験を受けないのでしたら、いつでも手軽・気楽に受けられる試験です。
二次試験
1回目は7月の筆記試験です。筆記試験では2科目あり、
- 専門別の記号選択形式
- 専門別の論述形式
のものがあります。前者は電験2種一次試験レベルの理論・電力・機械問題です。後者は電験2種二次試験レベルの論述問題です。そうです、電験を計算問題で突破してきた私は、(試験を受けるのならば)遂に避けられない難所に出くわすことになります。
それぞれの科目で6割正解すれば、次の口頭試験の切符を得ます。
2回目の口述試験は11月下旬です。受験者毎に試験日が異なるようで、電験1・2種二次試験とバッティングする可能性があります。
- 経歴及び応用能力:60点満点
- 技術者倫理:20点満点
- 技術士制度の認識その他:20点満点
のそれぞれについて、6割点数を得る必要があります。なお、7月の試験成績はカウントされません。仕切り直してです。
「口頭試験で点数を得る」というのは変な感じですが、これについては今までと異質な試験準備が必要そうです。
口述試験については私は受験したわけではないのできちんと言えるわけではないものの、自分の技術士相当体験に対して、俯瞰した見方ができ、それを相手に齟齬無く伝えることができれば合格できるようです。要は、プレゼン力が問われます。言い方を変えると、今いる業界でのビジネスパーソンスキルが問われます。ぶっちゃけ無理ゲーです。
技術士の素養についても試験管から質問が有るようですが、そこは定型解答を暗記してしまえばいいだけですので、口述試験の根本的な可否はやはりプレゼンの完成度にありそうです。
平成31年度からの制度変更
日本技術士会に設置された「技術士制度検討委員会」において、平成31年度から試験制度を変更する中間報告がされました。細々としたものを除いて電気電子部門に関するクリティカルなところだけを言うと、二次試験の選択問題が廃止されます。
まとめ
私の場合、実務経験については今回書いたようなどうしても変えられない事情がありますが、一次試験については合格していますので、次回以降は純粋な試験問題についての再挑戦結果とか感想を書いていきます。
技術士欲しいなぁ
それでは次回!
はじめまして
☆エース☆と言います。
電験2種をヤフーで検索してたらたどり着きました。
私は電験2種合格と技術士2次試験合格を目指しているものですが
技術士2次試験は専門的な知識を使った、計画、研究、設計、分析、試験、評価のうちどれかに該当する業務をしていれば,実務経験にはカウントされると思いますよ。
実際,私は水力や変電の工事管理業務や保守の仕事しかしてませんが周りの人間は2次試験を受験し合格していますから。ビルメンのケンタさんも大丈夫だと思います。
業務上何かに取り組み改善したことがあって,それが私だから解決出来たみたいなストーリーを受験申込時の経歴票に記載すればいいと思います。
電験2種,技術士2次に受かっていない私が言うのもなんですが参考まで。。。
>☆エース☆さん
コメントありがとうございます!
業務が僅かでもどれかに該当していればばいいんですかね。
崇高な書き方をされると自分の業務が該当しないような感じがしてなりません。
エースさんは水力や変電の工事管理業務と保守をされているということで、電力会社か技術系公務員とお見受けしますが、一方の私はそのようなハイレベルな業務をしていないので、私の業務でもいけるのかちょっとネットの情報を集めてみようかと思います。
受験料が14,000円と高額ですので、無駄打ちをしないようにしたいです。
ケンタ様
☆エース☆です。コメントありがとうございます。
ケンタさんのビルメンの業務でも以下のことを満たしていると思いますよ。
科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する専門的応用能力を必要とす
る事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又は
これらに関する指導の業務に従事した期間が通算して次に定める期間を超える者とあるので。
世の中的に,上記に関係してる仕事は結構あると思います。
例えば,ビル関係だったら老朽化した受電設備の更新工事で,自分だからこそこう改善できたとか,新技術を取り込んだ提案をして省エネに繋がったとか色々あると思います。
私は電力会社に勤務してますが,業務がハイレベルとかそういった仕事はしていません。あくまで電気を安定してお客様に届けるという意識で日々仕事に取り組んでるだけです。電験1種やエネ管を合格しているケンタさんなら,技術士2次は能力的に合格の域に達しているはずなので是非挑戦してもらいたいです。
はじめまして。おやじから聞いた話をします。僕のおやじ(S18年生まれ)は小学生で両親を亡くし、苦学して進学しました。僕からみてもまあ優秀なほう(東大、京大に行けるほど天才・秀才ではないですが)だと思います。ただ上述のとおり早くに両親を亡くし、自分と妹の学費を稼ぎながらの高校時代を過ごしたため、勉学に力を入れることができず、何とか先生にお願いして高校を卒業させてもらったうえで、東京の私立工科大学に進学することができました。大学卒業後はいくつかの職業を経た後故郷に戻り、僕が小学生の時、おやじが40歳ごろに地元の零細土建屋さんに就職(転職)。年を取ってから土木業界に飛び込んだにもかかわらず、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、RCCM等多くの資格を取り、道路や橋梁建設の現場監督として数多くの経験を積みました。その後、50代半ばを過ぎたころから『自分が現場で積み上げた経験や勉強の集大成として技術士を目指したい』と言って勉強に励みだしました。高校時代、自分より成績が良くなかったにも関わらず家柄が良い(地元の名士orお金持ち)だけで東京の一流大学に進学し、その後もたいした苦労せず生きている同期がいるなかで、いち技術屋としての誇りを持ちたかったのだと思います(別に見せつけるわけではありませんが・・・)。しかし、何度か受験したにもかかわらずなかなか合格することが出来ません。『うーん。自信はあるんだけどなかなか受からないなー』とぶつぶつ言っていました。
そういう中、とある時おやじが県庁の職員と立ち話で(土木業界なので公共工事のからみで役所に行くことが多い)、技術士に受からないことを相談したところ、
『技術士の資格は基本的に公務員に優先的に配分するのを知らないのか?民間を監督する立場の役所の人間に何の資格もないとカッコがつかないでしょう?毎年どの分野のどの資格にどれだけの資格をもった公務員を配置する必要があるのかを考えたうえで公務員に優先的に合格枠を与え、残りの枠を民間に分けているのだ』
と言われたとのこと。純粋におやじに技術士の試験を合格するだけの学力が足りなかっただけなのかもしれませんが、『現場を知らない机上のものごとしか言わない役人に優先的に合格枠を与えるなんてばかばかしい。試験受けるのやめた』といってそれ以来受験をやめました。5~6年前の話です。本当のことなのかはわかりませんが駄文ですが投稿させて頂きました。
>とある地方都市出身の40代ですさん
コメントありがとうございます。
公務員に優先的に合格させるって話は聞いたことないですね。。。
万が一仮にもしそれが本当だったとして、それを公務員外の人にそんな言い方をするのは、相当性格悪いですね。
逆を返せば、そうでもしないと公務員は受からない、という状況も意味してる気もするので、特権ぽい言い方をしつつも実は身内の恥さらしをしてる滑稽な話でもありますね。
一方で確かにお父さんの実力が毎回今一歩だったのかもしれません。
不合格通知表の点数を確認してみたり、予備校で模擬面接をしてもらって、客観的な到達度のコメントを貰ってみたら、踏ん切りのついたやめ方が出来たのかもしれませんね。